『処刑ライダー』かー。
懐かしい。
たしか小学生くらいの頃、日曜洋画劇場で年一くらいのサイクルで放送されていたはずだ。
つーか、「懐かしい」って書いたが、じつは一度も観たことがなかった。
なにぶん大昔のことなのでなんで観なかったのか、理由はわからんが、たぶん子どもながらに「これはきっとバカな映画だ」と直感でわかったんだと思う。
だって『処刑ライダー』だもの。まあ、頭が悪そうだ。バカ丸出しの邦題だ。今のようにバカ映画を愛でる心の余裕みたいなものは当時バリバリ包茎の鼻タレ小僧だった私にはなかったわけで。やっぱりフツーのガキんちょは『処刑ライダー』には目もくれず『プロジェクトA』とか『ターミネーター』とかまともそうな映画観ちゃうよ。
で、アマプラにあったんでついに観てみたわけ。
子どもの俺、すごい。
直感、当たってた。
チャーリー・シーン演じる主人公はかつて街の無法者どもに殺された青年。だが幽霊として生まれ変わり無法者どもに復讐するというトンデモなお話である。
なにしろチャーリー・シーンの初登場シーンからしてすごい。
素肌にジージャン。そんでグラサン&ノーヘルでバイクに跨がっている。
も、これだけで通報されるレベルだよ。
無法者どももナイフ握って自分の手わざわざ血まみれにして女を強引にモノにしようとするとか意味不明なことしたりしてて、もうとにかくバカ丸出しだ。
無法モヒカン野郎の名前がまたすごい。これだ。
「スカンク」
確実に頭悪いし完全にイカれてる。
中でも「コレ一番、イカれてるわ」と思ったのが無法者どもを成敗する方法。本作の一番の見所と言えるシーンであり、ようするに主人公の「必殺技」である。以下がそれだ。
「体当たりして爆死させる」
主人公と無法者どもがクルマでレースしてね、そんで最終的にクルマごと体当たりして爆死させるの。おもいっきり爆発してるんだけど主人公は全然ヘーキ。粉々になったマイカーも無問題。すぐ元通りになる。なぜかっつーと幽霊だから。もうマジスゴ。
まあ百歩譲ってこういう「必殺技」もありかなと思ったよ。でももっとイカれてると思ったのがボスを成敗する方法。これがとんでもなかった。
「自分とクルマが体当たり。そんでボス爆死」
俺、呆然。そもそもレースする意味なかったじゃんって言うね。
たぶんだけど、この監督、撮影中キマってたんだと思うよ。
こんな映画でもウン千万だかウン億だかじゃぶじゃぶ金かけられてたんでしょ。すごいよなあ、ハリウッドって。あたらめて思った。
そしてヒロイン役の女優さんが結構きれいな人でフツーにおっぱい出してくれるんだけど「こんなバカ映画で出しちゃって後悔してないのかな」といらぬ心配をしたりもした。
バカと爆発とおっぱいを観たい人には超オススメの映画である。あと、ジェイソン・ステイサム主演でリメイクするのもアリでは、と思った(大笑いできそうなので)。