とくにこれといったネタがないし月末も近いので恒例の今月味わい尽くした音楽について。先月に引き続き、中古ショップで「安く売ってるから」という安易な理由で以前手に入れたもののロクに聴かないまま放置されている大量のCDを処分か保管か、とにかくどうにかしたいので、この一か月間集中的に拝聴した。ので、それらの感想プラスα。誰も興味はないだろうがそんなことはおかまいましに記録がてら以下に記す。
⚫︎Igyy&The Stooges『Raw Power』
とにかく勢いまかせな感じだろうな、と勝手に想像していたのでちょっと意外だった。いや、勢いまかせな感は大いにあるっちゃあるんだけど、ピアノを効果的に使ってる曲とかあったりして、こう言っちゃ失礼だがただ闇雲に突っ走ってるだけのロックじゃないんだな。うん。好き。ちなみにイギー・ポップといえば、いつかのフジロックで「おめーらもこっち(ステージ)来いよ!」と観客を煽ったら、これ幸いとばかりに大勢の観客がステージに上がり込んで来てしまい思わずイギー氏もびっくり仰天、揉みくちゃ状態の中、ものすごくオロオロしながら必死に歌をお歌いになっていた氏のお姿を思い出す。あんときゃテレビで見て笑ったなー。猪木に事前打ち合わせなしのベロ出し失神演技をされてリング上でものすごくオロオロしていたハルク・ホーガンを彷彿とさせるオロオロっぷりであった。
⚫︎キリンジ『47'45''』
キリンジもロクに聴かずに放置しているCDが山ほどあるのでとりあえずこちらの2ndを拝聴。聴きはじめのころはなんだかがっつり来ないなー、パンチがないなー、それはさておきうんこしたいなー、と思ったりしたものの、10周目を過ぎたあたりから徐々に耳に馴染んでいった。まあ、キリンジのアルバムはだいたい毎度こんな感じになる。安心安定の良作。メロディがすこぶる良いtr4「恋の祭典」がとくに好き。
⚫︎Astrud Gilbelto『おいしい水』
かなり古いボサ・ノヴァのアルバム。なぜこんないかにも趣味に合わなそうなジャンルのCDを持ってるのか、自分でも謎だが、まあなんとなく買ったのだろう。しかーし。これが、いつ以来かまったく記憶にないが、とにかく聴き返してみたら、なんだか妙に沁みる。ストリングスがちょっとうるせえな(基本、ストリングス入りの曲ってあまり好きではない)って感じる瞬間もなくはないが、全体的に落ち着く。こういう音楽も許容できる感性がいつまにか身に付いたのか、はたまた盆栽を愛でるじじいのように私の感性もじじいと化してしまったのか。まあ、わからんが、好きな音楽が増えるのはいいことだ、とポジティブに考えるべきであろう。
⚫︎Billie Eilish『When We All Fall A sleep, Where Do We Go』
最近洋楽のニュージェネレーション聴けてねえな、ってことでレンタルして聴いてみた。もっとキャラクター性重視な感じだと思ってたが、いい意味で裏切られた。音はいかにも「いまふう」だが、気を衒った感じも変な暑苦しさもないのが良い。単純にどの曲も「ポップス」としてよく出来てるし、それでいて尖ってる部分も感じられる。いいねえ。好き。
⚫︎cero『Obscure Ride』
こちらもレンタルにて。前々から名前だけは知っててなんとなーく気になっていたバンド。シティポップってあまり詳しくないが、とにかくスマートでオシャレ。強烈に耳に残るメロディが展開されるような曲はないが、まったり風味がすこぶる心地よい。ちょっとオリジナル・ラブっぽいなーって曲もあったり。今月の一等賞。うん。違うアルバムも聴いてみよう。レンタルで。
以上。