自粛生活のせいで2ヶ月以上床屋へ行ってないので髪の毛がとんでもないことになっている。
剛毛・多毛でなおかつひどいクセっ毛。
思えばこの厄介きまわりない髪の毛と付き合うようになってから長いこと経つ。
小学生の私はサラサラヘアーの美少年だった。しかしながら成長ホルモンが余計な気を利かせたおかげで、あろうことか中学へ上がるころには剛毛&多毛&ひどいクセっ毛の美少年に変身してしまった。
いつしか私の髪を評してこう呼ぶ者が現れた。
「鳥の巣」
クリトリスではない。トリスハイボールでもない。「鳥の巣」だ。
あるいは、べつの人間からはこうも呼ばれた。
「ヘルメット」
いずれにしても名誉ある呼び名ではまったくなかった。
とはいえ、髪の毛よりもいま私のなかでもっとずっと問題に上がっているのが鼻毛だ。
鼻毛を育ててみようか、わりと真剣に悩んでいる。
だって鼻毛ってウイルスの侵入をブロックするために存在しているわけだろ。よく知らないが、きっとそうであるはずだ。つーか、鼻毛の存在意義なんてそれしかないだろ。だから知らんけど。
ウイルス侵入の予防のためにここはおもいきって鼻毛を育てるべきではないか。
とはいえ悩ましいのは、ややもすると「鼻毛を育てたおっさん」=「不潔」「キモい」「オモシロ」等にカテゴライズされてしまうからだ。
なにより、鼻毛がハンパなく育つようになった数年前に手に入れて以来、相思相愛の仲になっている鼻毛カッターが私を誘惑する。
「鼻毛、カッコ悪い」(前園調)
結局、中途半端に育ったところで誘惑に負けて刈ってしまう。
ほんとうに悩ましい問題だ。