2019年11月の消化物(音楽)

今月たんまりと味わい尽くした音楽についての感想。なお、新譜はいっさい聴いておらず取り上げるのはすべて旧譜。

 

●柴田聡子『しばたさとこ島』 

しばたさとこ島

しばたさとこ島

 

先日はじめてライブ観に行った柴田聡子の1stアルバム。どの楽曲もしっかりポップに仕上がっているのが嬉しいし、各種パーカッション(声、箱など)やらグロッケンやら妖怪の足音(もちろんマジモンではない。聴けばわかる)やら、遊び心満載の装飾音もじつに効果的で聴き応えばっちり。なんかビートルズの『ホワイト・アルバム』っぽいというか、絶妙なゆるさがあってとてもいい。とくに⑥「ばら」は大名曲。

 

●SCOOBIE DO『Bootleg-tic Girl 11』

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ライブ会場かバンドHPの通販でのみ購入可能な『Bootleg-tic Girl』シリーズの第11弾。内容的にはアコースティックライブであって、スクービーの楽曲がいかにメロディがしっかりしてるかというのをあらためて実感した。1月にものすごくひさしぶりにライブ観に行くので楽しみ。

 

●スティーリー・ダン『彩(エイジャ)』 

彩(エイジャ)

彩(エイジャ)

 

段田男、ダン池田と並ぶ世界3大ダンとして有名なスティーリー・ダンのアルバム。このアルバム自体もロックの名盤ガイドに必ずと言っていいほど掲載されている有名作だが、はじめて聴いた。リリースはかなり昔で1977年のアルバムである。ちなみに1977年生まれの有名人は、安室奈美恵、市川海老蔵、滝川クリステル、ゆってぃ、小野まじめ(クールポコ)、せんちゃん(クールポコ)などがいる。だからなんだと言われても困ってしまうが、それにしても40年近く前にリリースされたとは思えぬほどまったく古びてないのは純粋にすごいと思った。思ったが、正直よくわからん。こういうAOR系の音楽って洗練されすぎている感じがして、個人的にはもっと荒っぽさがほしいというか、私の感性がガキんちょすぎるためか昔からなんだかエキサイトできない。んで、今回もだめだったという話である。理解したいんだけどなー。もうちょっと聴いてみてそれでもよくわからんかったらとりあえずいったん諦める。

 

 ●キリンジ『10th Anniversary~SPECIAL SHOWCACE FINAL @Billboard Live TOKYO』

KIRINJI 10th Anniversary~SPECIAL SHOWCACE FINAL @Billboard Live TOKYO [DVD]

KIRINJI 10th Anniversary~SPECIAL SHOWCACE FINAL @Billboard Live TOKYO [DVD]

 

んで、こちらはそのスティーリー・ダンから多大な影響を受けているっぽいキリンジのデビュー10周年記念ライブを収めたDVD&CD作。キリンジは全作品聴いているわけではなく、まあ、いくつか好きな曲がありますね、って感じなのだが、うん、これは良い。個人的にキリンジに求めてやまなかった、熱っぽさ、ダイナミズムがこのライブのそこかしこにほとばしっている。素晴らしい。というわけで、兄弟揃ったキリンジのライブを一度でいいから観に行きたかったなー、と今さらながらものすごく後悔している。

 

●キンクス『キンクス+12』 

キンクス+12

キンクス+12

 

もちろんバンドのお名前は知っていたがはじめて聴いた。いかにも60年代だなーって感じのロックンロール。印象的なリフ多し。やんちゃな歌&演奏も良い。つうか、このバンドってたしかメンバーに兄弟がいて仲が悪いんだよな。ジザメリの兄弟メンバーも仲が悪いんだっけな。そして、オアシスのギャラガー兄弟もいまだに仲が悪いままだ。ちなみに調べたら、これらすべてイギリスのバンドである。イギリスの兄弟在籍バンドは仲が悪くなるという呪いでもあるのだろうか。

 

●イノトモ『森と声』 

森と声 [NTRL-003]

森と声 [NTRL-003]

 

去年、勝手にウッドストックというフェスに行った際に物販ブースにてご本人さんに直接手売りしていただいたやつ。失礼ながら、ようやっと本腰入れて聴いた。基本アコギ伴奏が主体の装飾を極力排したシンプルなサウンドで、ちょっと地味かなー、と思わないでもないが、音楽に対して真摯に向き合ってる感みたいなものが要所要所からしっかりと伝ってくるので好感が持てる。⑤「ウルワシのサヨナラ」がとくに良い。名曲。

 

●奇妙礼太郎トラベルスイング楽団『Live!』 

Live!

Live!

 

「♪機嫌なおしておっくれよ~」って一緒に口ずさみたくなりますね。全体的にバックの演奏に比べてヴォーカルの音がでかすぎる気がしないでもないが、とりあえずテンションは上がる。あと、「スイートソウルミュージック」がたまらん。タイトルの通り、とてつもなくスイートでソウルフルな名曲・名演である。