椎名林檎からの数珠つなぎ的音楽のススメ

YouTubeを利用していると「あなたへのおすすめ」として視聴した動画と関連するような動画がいろいろと画面に表示されるが、これを文章で真似してみたいと思う。

とはいえ、ただ真似してもおもしろくないので、ちょっと変わったパターンでやってみたい。

まず前提として、この記事は椎名林檎のファンが読むものとする。

スタートはもちろん椎名林檎からである。で、椎名林檎と関連するようなミュージシャンを数名おすすめしていく。そして、最終的には再び椎名林檎に着地する。題して「椎名林檎からの数珠つなぎ的音楽のススメ」だ。

なんのこっちゃ、という人が大半だろう。

論より証拠だ。とりあえず書いてみる。 

 

●椎名林檎  

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まずは椎名林檎のこの曲から。ご存知1998年にリリースされた2ndシングルである。独特のアングラ感が漂う昭和歌謡調の名曲だ。 

 

 ●小島麻由美  

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で、その椎名林檎と関連するミュージシャンはこの人。椎名林檎と引き合いに出されることが多い小島麻由美である。

じっさい、椎名林檎のファンがはじめて小島麻由美のいくつかの楽曲を耳にしたら、

「なんだか椎名林檎みたいだなあ」

と思うだろう。そう感じる人が多いからしばしば引き合いに出されるのだろう。

ちなみにいまだに勘違いする人もいるっぽいので一応説明しておくと、椎名林檎よりも小島麻由美の方がデビューも年齢も上である。

たしかに、上に挙げた昭和歌謡風の楽曲やらジャズ調の楽曲やら、両者の音楽の表層的な部分に目を向ければ、共通する部分はあるっちゃある。なので、椎名林檎のファンの人にも胸を張っておすすめできる人であるが、とはいえ個人的な印象を言わせてもらうと椎名林檎と小島麻由美は似ているようで似ていないと思う。

まず言えるのは、椎名林檎は本質的には「ロックの人」という印象を受けるが、小島麻由美からは「ロックの成分」がほとんど感じられない点だ。さらに決定的に異なっている点として挙げられるのは、椎名林檎の創作表現からは「卓越した自己演出力」みたいなものが感じられるが、小島麻由美にはそういう匂いは一切感じられないところである。なんというか、「ちょっと狂ってる感じ」というか「天然っぽさ」というか、それが椎名林檎にはなくて小島麻由美にはある部分である。

とにかく、取っ掛りは「似ている」でもいい。何度も繰り返し聴いてみてほしい。椎名林檎と似ているようで似ていない、小島麻由美ならではの魅力に気づくはずだ。 

 

 ●塚本功  

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続いてはこの人。小島麻由美の楽曲でギターを伴奏している塚本功である。

小島麻由美との共演のほかにも、ネタンダーズ、ピラニアンズというバンドにも所属しており、さらにはソロミュージシャンとしても活動している。

塚本功の魅力とはなにかといえば、変幻自在のギター奏法である。ロック、ジャズ、ブルース、カントリー、中近東音楽などなど、あやゆるジャンルの音楽を巧みに操り自分色に染め上げてしまう稀有な才能を持った凄腕ギタリストだ。

ちなみにお歌の方も歌ったりしている。こちらはお世辞にも上手いとは言えない。ただ、声色自体はなかなか良い塩梅なので、はまる人もいるはずだ。

都内近郊を拠点にしながら積極的にライブ活動を行っている人なので、ぜひ気が向いたときにでも一度足を運んでいただきたい。魅惑のギター奏法に誰もが打ちのめされるはずだ。

 

●奇妙礼太郎  

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さて、お次はこの人。上の塚本功とのコンビでライブ活動も行ったりなんかもする奇妙礼太郎である。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のフロントマンとして活動後、天才バンドを結成し、現在はソロミュージシャンとして活動している。 また、CMソングを多数歌ったりしている人でもあり、

「あっ、この声、聴いたことがある!」

という人も多いと思う。

とにかく、この人は声が良い。すこぶる良い。そして、とんでもなくエモーショナルだ。その歌声をひとたび耳にした瞬間、一気に持ってかれること間違いなしだ。まさしく魔性の歌声を持った稀代のシンガーである。 

 

 ●杉瀬陽子 

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で、その奇妙礼太郎とライブでデュエットしたりしているのがこの杉瀬陽子である。

じつは私自身、つい最近知った人なのだが、この人も奇妙礼太郎とおなじくすこぶる良い声をしている。ときに繊細に、ときにパワフルに歌い上げる関西出身の女性シンガーソングライターであり、ロック、ジャズ、クラシックなど、私もまだあまり詳しくないが音楽的に広い振り幅を持ってる人っぽい。

要注目の人と言って良い。ライブを観に行くのもいいだろう。つーか私が観に行きたい。  

 

 ●キリンジ 

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そして、その杉瀬陽子とTHE LAKE MATTHEWSというバンドで活動していたのが堀込泰行である。

近年はソロで活動しているが、堀込泰行といえばかつて兄の堀込高樹と組んでいた兄弟バンド、キリンジだ。

キリンジの魅力といえば、なんといってもハイセンスの塊のような音楽性であろう。複雑怪奇に構成された楽曲&バンドアンサンブル、オシャレさの中に毒っけを盛り込んだスウィートでビターな世界観を宿した楽曲の数々は唯一無二と言いたくなるような魅力がある。

弟の泰行は現在ソロで、兄の高樹は「KIRINJI」としてメンバーを一新し活動中だ。

 

●椎名林檎

というわけで、椎名林檎に再び着地した。

つーか、ぶっちゃけ、キリンジと椎名林檎の共通点はとくにないと思う。

「キリンジ」と「シーナリンゴ」。

つまり、「リン」つながりである。

なんだか最後は単なるこじつけになってしまったが、まあ、いいでしょう。よしとしていただきたい。おしまい。

 

アダムとイヴの林檎

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