くるまやラーメンが好きで2・3週間に一度くらいのペースで食べに行っている。
注文するメニューは決まっている。私は「食の冒険」は基本しないタイプの人間なので、行きつけの飲食店へ行ったときは大概いつもおなじものを注文して食べる。
くるまやラーメンでは味噌バターコーンと餃子をほぼ決まって注文する。あとはたまにめちゃくちゃ腹が減っているときにサービスで付いてくる半ライスをついでに頼んだりするときがあるぐらいだ。
ラーメン二郎や餃子の王将とおなじようにくるまやラーメンも店によって味のバラつきがある。もちろん、味覚は人それぞれなので、どの店が一番だとは一概には言えないが、個人的には自宅の最寄りにあるくるまやの味が最高に好きだ。
んで、ここの店、注文を訊きにやってくる店員がおばさんだったり若いあんちゃんだったりするのだが、オーダーするとどの店員も調理担当の人に必ず
「ミソバコひとつ! あと餃子!」
と声をかけるのですね。
この「ミソバコ」という略語がじつにいい。
なんだかわからんが、「イカした感じ」がして、毎度耳にするたびしびれてしまう。いや、べつにしびれないが、とにかく私は好きなのである。
こちらからも
「ミソバコと餃子!」
と、ぜひオーダーしたいところなのだが、なにぶん根が恥ずかしがり屋の人間なのでいまだ果たせないでいる。
略語といえばたびたび話題に上がるのがマクドナルドである。関東では「マック」、関西では「マクド」と呼ぶのが一般的とされているが、私はなんとなく「イカした感じ」がするので「マクナル」と呼んでいる。
「イッヒッヒ……『マクナル』と呼んでいるのは世界中で俺だけだろうな」
と、つい最近まで意味不明な悦に浸っていた私なのだが、何気にネットで検索してみたら「マクナル」と呼ぶ人もふつーにいるみたいで、なんだかひとりで恥ずかしい思いをしてしまった。
で、なんでこんなようなどうでもいい略語の話を今回つらつら書いているのかというと、今日、外を歩いていたら「ものすごい略語」を耳にしてびっくりしてしまったからだ。
「ネコでーす!」
声がするほうへ振り返って見てみたら、アパートの玄関口に「クロネコヤマトの人」が立っているのではないか。
「はーい!」
つってふつーにドアを開けたおばさんにも驚いた。
なんだかよくわからんが、「ああ……この人たち、イカしてるわ…」と思った。
つうか、私もクロネコヤマトから荷物受け取ったことあるはずだが、
「ネコでーす!」
と声をかけられた記憶がない。
ああ、言われたい。
「ネコでーす!」
と声をかけられたくてたまらない。
そして、当たり前のように
「はーい!」
と返事して荷物を受け取りたい。
なんだかよくわからんが、なんとなくそう思った。