「歌手」佐竹雅昭がとにかくやたらと自信満々だった

ブックオフで中古CDの棚を眺めていたら、なんと、元格闘家である佐竹雅昭のCDを発見した。

 

佐竹雅昭の覇王塾(with林原めぐみ)

佐竹雅昭の覇王塾(with林原めぐみ)

  • アーティスト: 佐竹雅昭,林原めぐみ,佐竹プロジェクト・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/08/28
  • メディア: CD
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このことを知っている人間はどれぐらいいるのだろうか。

「有名人であれば誰彼かまわず歌を出す」

という芸能界の常識を考えれば、まあ、別段驚くべきことでもないのかもしれない。

それにしても驚愕したのは、とにかくここでの佐竹が自信満々なことだ。

CDにはご丁寧にもライナーノーツが封入されていた。ライナーノーツの冒頭には「塾長からのメッセージ」として佐竹のこんな文章が寄せらせている。

 

「俺の唄声を聞けば必ず元気がでるであろう。なぜなら俺の唄声には太陽以上のエネルギーが含まれているからだ」

  

もの凄い自信である。そして、えらく尊大だ。このとてつもない自信はいったいどこからやってくるのか。

少なくとも本作で披露されている、声域が狭く、音程もヨレヨレな佐竹の歌声を聴くかぎり、その根拠の元はまったくもって不明であるが、とにもかくにもこの自信満々ぶりには感嘆するしかない。

さらに「塾長からのメッセージ」はこう続く。

 

「林原めぐみちゃんとのデュエット『クロスロード』この唄はラジオ『佐竹雅昭の覇王塾』を聴いている方々にはたまらないものに違いない。2人の甘く、せつなく、爽やかな世界が充分表現されていて、聞いた人の心を揺り動かす。気が付いた時には、何故か涙が流れていて、心が洗われる気分になっているだろう」

 

残念ながら私はかつて放送されていたらしい『佐竹雅昭の覇王塾』なるラジオ番組を聴いたことがないので言葉の意味はよくわからんがとにかく凄い自信だ、などとキン肉的な例のセリフを思わず口走しろうというものだ。

「塾長からのメッセージ」は留まるところを知らない。

 

「続いてオススメは『クライ』。俺が特に思い入れのある唄だ。心がくじけそうになった時に、部屋の中で1人で聞いてもらいたい。そして、聞き終わったら部屋のまどを開け、大声で『バカヤロー』と叫ぶのだ」

 

「叫ぶのだ」、と言われても困るしかないではないか。そんなことをしたら周りの住人らから警察か救急車を呼ばれること必至である。いったいなにを言っとるのだこの人は。

そして、本作のオープニングトラックである「CRAZY BODY」についての佐竹の言葉が以下である。

 

「下手すると地球を簡単に破壊してしまう可能性もある」

 

歌で地球を破壊っておまえはジャイアンか。はたしてどんな曲であるのか、興味がある人はぜひCDを手に入れて聴いてみていただきたい。ブックオフを50店舗ぐらい回ればきっと見つかるだろう。ただし、内容については一切保証はしない。