連続ブログ小説「大門団長の憂鬱」第2話“団長と呼ぶひとり娘”

やいハト! テメエこの野郎!!

こんばんは。団長です。

 

西部警察LEGEND16 大門圭介FOREVER

 

初っ端からいきなり無様な痴態を晒してしまいまことに恐縮です。

ま、ただ、しかしながらですね、弁解するつもりは毛頭ありませんが、ちょっと一言、言わせていただきたいのです。

たしかに自分は冒頭からいきなり人様を口汚い言葉で罵るという、たいへん不躾なことをしました。大人のすることじゃない、と、あるいは人は言うかもしれませんが、それはもっともな意見だと自分も思いますし、自分の非は素直に認めるつもりです。

ただ、犯人逮捕・事件解決に全力を注ぐのが警察の仕事であると思っておられる方が大半でしょうが、団長という責任的立場にいる自分の仕事はそれだけではありません。

一団の長として部下に示しがつかない行動(パチンコや風俗遊び等)は控えること、良くも悪くもカリスマ的な存在として署に君臨する上司の小暮と、鳩村をはじめとするなにかと血気盛んな団員たちとの関係をうまい具合に取り持ったりとか、まあそんなような中間管理職的な細かい雑務もさることながら、いま現在槍玉に挙がっている、つまり、冒頭の「やいハト! テメエこの野郎!!」の部分ですね。

まあこんなように、ときには捜査上でミスをやらかした部下を叱るのも団長の大事な仕事のひとつなのです。

むろんこれは愛があるからこその叱りであり、ましてや当然ながら部下をいじめているわけでもありません。どうかそこらへんはわかっていただきたいのです。

以上、プライドだけは異様に高く、自分の非はなにがなんでも絶対に認めない団塊世代の星、団長の言い訳オンパレードでした。

で、そんな団長という激務を日々立派にこなしている自分ではありますが、もとを正せばか弱き独りの人間、当然悩みだってあります。

というのは、自分にはいま現在小学校4年生になるひとり娘がいるのですが、父である自分のことを「団長」と呼ぶのです。

これは由々しき事態ではないでしょうか。

「おとうさん」

というのが、まあ、娘が父親を呼ぶ際のもっともポピュラーな呼称と言えるでしょう。

「パパ」

というのも、バリバリ農耕民族である日本人の分際でなに言ってやがんだコイツ、と個人的には思わなくもないですが、まあ、認めます。

しかし、「団長」。

これはありえない。

父親を「団長」と呼ぶ子供はどう考えても問題アリでしょう。

しかも、「団長」と私を呼ぶときの娘の顔というのがまた、若干半笑い気味なのです。

なんだか小馬鹿にされているようで、正直、我が娘ながら時おりぶん殴りたい衝動に駆られるのです。

とはいえ当然ながら我が娘をぶん殴るわけにもいかず、毎日イライラしっぱなしなのです。

なので、そんなふうにイライラする日は部下である鳩村巡査部長のことを「ポッポポッポ」呼んでいじめています。最初のほうは嫌がられて呼んでもガン無視されていたのですが、あまりに自分がしつこく「ポッポポッポ」呼ぶので諦めたのか、最近は渋々ながら返事をしてくれるようになりました(※↓の渋い横顔で決めているのが鳩村です)。

 

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本当に鳩村はいい奴です。ただ、独身です。鳩村と主に夜の面でポッポポッポしてやってもいいという女性の方は、「西部署・鳩村婚活担当係」までぜひご一報ください。あとマグロのほうもやはり引き続きご期待ください。

本日も失礼致しました。