やれスマホだ、アプリだ、と例によって世の中は大騒ぎしているわけだが、ガラケー使いの人間がまるで一人も存在していないかのようにされているのはたいへん悲しい。
ああ、俺だよ。
ドコモのN-01Fってやつ。
いまだに使っている。
いや、金がないわけじゃないのだ。
まあ、たしかに金持ちではない。
というか、金はそこそこない。
というか、かなりない。
とはいえ、さすがにスマホの月々の使用料金を払えるぐらいの生活水準ではあるわけで。
なんつうか、スマホ、スマホつって大騒ぎしているのに抗いたい自分がいるわけですよ。あまのじゃくな人間なんだ、俺は。
思えばパソコンやiPodが流行った時もそうで、俺が手に入れたのはかなり騒ぎが落ち着いた頃だった。
「お、おう……これはなかなか……。つーか超便利じゃん!」
使ったら使ったでわりと素直な人間なのである。
ああ、「スマホつまんねえ」「スマホ持ってるのダサい」という世の中に早くなっちまえばいいのに。そしたら気兼ねなくスマホに乗り換えるのに。
まあ、相当頭が悪い。自分で思う。
にしても、こうスマホ使いの人間で溢れている世の中であると、昨今のガラケー事情に疎くなっているという意味においての「ガラパゴスな現状」が起こっているのではなかろうか。
ガラケーもガラケーでいろいろと変化しているのだ。
あくまでも私の所持しているガラケーの利用状況ではあるが、いくつか事例を紹介しよう。
まず、YouTubeであるが基本的に普通に観ることができる。スマホと比べて当然画面は小さいが、一応観ることはできる。データをダウンロードするのに少々時間がかかるが観ることはできる。
ただし、データそのものの容量が大きいやつをクリックした場合は、
「このデータを収録することができません。Unable to download」
なんつう画面が出てきて、観ることができない。
音楽好きからしたら音楽関連の動画を観ることができるのか、というのは気になるところではないだろうか。
安心していただきたい。これも基本、観ることができる。
ただし、画面の左下に「vevo」という文字が入っている動画をクリックした場合、
「この動画はご利用いただけません。」
なんつう画面が出てきて、やはり観ることはできない。
では、Twitterはどうか。
私はTwitterに興味がないので知らない。自分で呟いたりとかはできないかもしれないが、ただしTwitter上の会話を検索して見たりすることはできる。
インスタグラムはどうかというと、こちらもやはり興味がないので知らないが、いま試しにインスタグラムで検索してみたら出てきたのでクリックしてみたら画面が一切表示されなかった。無理である。
LINEは利用できる。
これはスマホ使いの誰もが驚いたのではなかろうか。
個人的にはLINEなんてやりたくなかったし興味もなかったのだが、友人に「やれ」と言われて、
「ガラケーじゃ無理だろ」
「いや、たぶんできると思う。貸してみろ」
「いやいや、無理だね」
なんて押し問答を繰り広げているうちに、
「ほら、できたぞ」
なんつった感じで、どういう魔法を使ったのか知らないが半ば強制的に利用できる状況にさせられてしまった。
ただし、スタンプを使うとか複雑なことはたぶん無理っぽい。べつに使いたいと思わないのでどうでもいいが。
いまや宅配ピザといえばスマホでネット注文する人が多いのではなかろうか。
ガラケーでもドミノピザとピザーラでは問題なく注文できる。
ただし、ピザハットは無理で、サイトをクリックしても
「ピザハットをご利用いただき、ありがとうございます。携帯電話Webサイトのサービスは2015年9月28日終了しました。パソコン、スマートフォンまたはお電話でのご注文をお願いいたします。」
という文字が出てくる。世は無情である。
無情といえばタワーレコードだ。
この間まで普通に利用できていたのだが、つい先日からホームページをクリックすると以下の文言が出てくるようになった。
「平素よりタワーレコードをご利用いただきありがとうございます。タワーレコードオンラインフィーチャーフォン専用サイトは、2017年12月6日12:00をもちまして終了いたしました。」
まあ、CDやDVDを通販したい場合はアマゾンがあるのでどうでもいいっちゃどうでもいいが、アマゾンだっていつ利用できなくなってもおかしくはないのだから戦々恐々とするばかりだ(まあ、そうなったらパソコン使えばいいんだけど)。
もうこうなったら地球最後のガラケー使いとして最後まで戦っていく所存である。
こういうやつが情弱と呼ばれるような人間になるのだろう。
と思った。