野菜嫌いのお子様をお持ちの全国のお母様方へ。こんな人間もいます。

私は子供のころから極度の野菜嫌いだった。

 

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なにしろ食べられる野菜類といったらキャベツ、キュウリ、レタスぐらいであり、大根や人参も食おうと思えば食えたが、ただし薄めにスライスされたものオンリーで、それも母親が出してくるから仕方なく口にしていただけだった。

茄子もピーマンも白菜もトマトも、レンコンもほうれん草も小松菜も全部だめ。

中でも苦手だったのが玉葱で、カレーや牛丼に紛れ込んでいるやつとかは味が染みているためかろうじて食べられることができたが、たまに母が献立に親子丼やカツ丼をチョイスしたときなどはわざわざ私のぶんだけ玉葱を抜いて作ってもらっていたぐらいである。

ところがここ数年来、あれだけ憎んでいた野菜が急に食べられるようになった。

「おめえ、このままじゃ死ぬぞ」

という身体からの警告であろうか。

私はステーキやハンバーグが大好きな人間だが、いまでは付け合わせで付いてくる野菜類も美味くてたまらない。これがサラダバーがある店なんかだったら、そりゃもうバリバリ食う。

野菜嫌いのお子様をお持ちの全国のお母さん、安心してください。

いま現在、野菜嫌いな息子さんや娘さんも、きっと大人になれば食べられるようになりますぜ。

極度の野菜嫌いだった私が言うんだから間違いない。まともな大人になるかどうかはまともな大人ではあきらかにない私としては保証できないが、少なくとも野菜はいずれ食べられるようになるはずである。

ごめん。嘘です。言い過ぎた。

大人になってもぜんぜん野菜が食べられない人間はいる。

ここ最近、仲良くなった友人H君がなによりの生き証人である。

つい先日、H君とはじめて食事をしにとんかつ屋へ行ったときのことだ。

私とH君はロースカツ定食をオーダーした。

びっくりした。

キャベツ全残し、なのである。

「ん? 腹減ってないの?」

と問うたところ、

「…いや、俺、野菜が食えないんだよね」

と言うではないか。

「だったら、頼むときにキャベツいりませんって言えばいいじゃん!」

「いや、なんか言いにくくてさ…」

H君の野菜嫌いは徹底していた。なにしろ、一緒に付いてきた豚汁にしても、豚肉とじゃがいもと汁だけを完食しあとの野菜類はきれいに全残ししていたのだ。

かつての私も相当なものだと思っていたがH君はもうレベルが違った。

H君が百獣の王ライオンだとしたら私はバイク王。

なんだかわからないが、それぐらいレベルが違うと思った。

さらに話を聞いてよくわからなかったのが、とんかつ屋でとんかつなりラーメン屋でラーメンを食ったあとに家で必ずお菓子を食べるということだ。

「なーんか食いたくなっちゃうんだよね」

「じゃあ、いまロースカツ定食頼んだじゃない? 仮にさ、これから小鉢に乗ったうまい棒が運ばれてきたら嬉しい? せっかく『とんかつ食ったー』ってなってるのに食うか?」

「そりゃもちろん食うよ」

食うのかよ。

そんなH君は現在絶賛痛風持ちの身体であるとのこと。

いや、痛風ってかなりしんどいんですね。

H君に聞いてはじめてわかった。

「モヤモヤ病」とかもそうだけど、ネーミングがよくないよ。どうも軽い病気ってイメージしてしまう。「鬱」とかみたいに日本政府は即刻、漢字の画数がやたらと多い深刻そうな病名に改名すべきではなかろうか。

ちなみにH君はジャンクフードも大好きとのことである。

「マックのハンバーガーだったらまずピクルス、それと玉葱でしょ。あっ、レタスとかキャベツが入ってるやつだったらそれも抜くね。あとトマトも。そんで食べる」

さすがに俺もそこまでした経験はないよ(まあ、ピクルスだけは抜いてたけど)。

とにかくH君は徹底していた。

というか、それはもはやハンバーガーと呼べる食い物なのか。