やたらと爆破シーンが多い映画である。
車にヘリに列車に、挙げ句の果てには洞窟もまるごと爆破、爆破、爆破のオンパレード。
いやあ、馬鹿だなあ。
戦争映画でもないのにこれだけ大量に爆破シーンがあるなんて、対抗できるとしたら『西部警察』か全盛期のFMWぐらいではなかろうか。
主演はクリスチャン・スレーター。
ひさびさに見た。ああ、懐かしい。
「クリス○○」といえば今だったらクリスティアーノ・ロナウドかクリス松村になってしまうが、ほんの短かい期間だったと思うけど、かつてはクリスチャン・スレーターの時代があったんですわ。
悪役として対峙するのはジョン・トラボルタ。
ふたりは空軍部隊に所属する同僚。なのだが、核弾頭2基が搭載された爆撃機のテスト飛行中にトラボルタが謀反。核弾頭を強奪したうえ
「返して欲しけりゃ金よこしな! でなきゃ核、爆破させるぞ!」
と軍に脅しをかけてくるわけだ。
核弾頭つってもドルフ・ラングレンのことじゃないからな。あっちは人間核弾頭で、こっちはリアル核弾頭。仮にトラボルタがドルフ・ラングレンを強奪してもたぶん軍は無視するだろう。
にしても、こうもやたらと爆破シーンがあるとちょっとやそっとのことでは驚かなくなるね。
じっさい、クリスチャン・スレーターとトラボルタが至近距離で銃撃戦を行うわりになぜかどっちにも弾がかすりもしないんだけど「こういう不思議なこともあるんだなあ」ってまったく驚かなかったからね。トラボルタの頭髪がじつはヅラだったとしても驚かない自信があるよ。あっ、これはあくまでもたとえ話だから! そこんとこ、誤解しないで!
とはいえ、ラストシーンには唖然とした。それまで銃だのミサイルだのでド派手にドンパチやってたのに追い込まれたトラボルタが最後の最後、突然リモコン式の核ボタン捨ててなにがおっぱじまんのかなって思ったら
「さあ、勝負だっ!」
つって、なんとボクシングですよ。
これ、しょっぱなに軍のトレーニングでふたりがボクシングで対決するシーンがあるんです。ようするに伏線回収。核が手元に置いてあって、いまにも爆発するという最中に、よりにもよってボクシングで雌雄を決しようとしよるんです。
さんざっぱらチャンバラが展開される時代劇で、最後の最後に刀捨てたと思ったら
「さあ、勝負だっ!」
つって相撲取るようなもんでしょ。
いやあ、馬鹿な映画だった。
半分呆れて、半分感心した。