iPodが生産終了なんだってね。
ひと月まえぐらいにネットのニュースで見て知った。
一足先に生産が終了してしまっていたiPod Classicをいまでも愛用している自分からしてもじつに悲しいニュースである。
当ブログでは「iPodをシャッフルして出てきた5曲を語ってみる」という記事を気が向いたときに書いてきた。字面どおり自分のiPod Classicをシャッフルして出てきた5曲を語るシリーズ記事であり、ここまで書いてきた回数は計23回だ。
前回のエントリーがなぜだかめでたいことにはてなの今週のお題でピックアップされたことだし、さらにiPodが生産終了となったうえ、そもそもそれ以前に読む人いるのかって話であって、いい機会なのでこっちもやめっか……と思っていたところでこないだ映画館で観てきた『ベイビー・ドライバー』ですよ。
詳しい感想は上の作文に書いたが、読むのがかったるいという人のために大雑把に要約すると、犯罪組織の逃がし屋である主人公がiPod Classicで音楽を聴きながら超絶的なドライビングテクニックを駆使して大活躍する映画だった。
まあ、かっこよかった。超しびれた。
「俺はiPodを諦めない!」
よくわからんがなんかそう思った。
というわけで、ひさびさに「iPodをシャッフルして出てきた5曲を語ってみる」を書く。
恒例の番外編として、今回は私のiPod Classicに入っている「えっ?! この曲、あのミュージシャンが好きだったの?」的な4曲をピックアップしてみた。
主な情報ソースは大昔に見たり読んだりしたテレビ番組や音楽雑誌である。なので、私の記憶違いで多少事実と異なる点もあるかもしれない。
読む人がいるのかわからんが、もし「その情報、間違ってるよ」なんていう博識な方がいらっしゃるようだったら、ご指摘していただければありがたい。
Radiohead「No Surprises」
歴史的名盤『OK Computer』に収録されている楽曲。甘美なメロディと鉄琴の音色がひたすら心地よいこちらの名曲を絶賛していたのはエレファントカシマシの宮本浩次である。
私の記憶が正しければ、宮本がこの曲のことを語っていたのは1997年の年末にNHK BSで放送されていた特番内においてだ。
渋谷陽一がMCを務めていた番組で、たしか「この年の洋楽のロックを振り返って1番の曲を決めましょう」みたいな内容だったはずである。宮本は選考員としてイエローモンキーの吉井和哉と共に出演していたはずだ。で、最終的な候補に選ばれた曲がこの「No Suprises」とヴァーヴの「Bitter Sweet Symphony」 であったと記憶している。
宮本はレディオヘッドのことを知らない様子だったが、「No Suprises」を「いいねえ、この曲」とかなんとか言って絶賛。一方の「Bitter Sweet Symphony」に関しては、リチャード・アシュクロフト(ヴァーヴのヴォーカリスト)が道行く人々に体当たりしまくるMVを観るなり「かっこつけすぎだろコイツ!」などとこき下ろしていた(と思う。たしか)。
結局、宮本が激推ししていたこともあって、めでたく大賞に選ばれたのはこちらの「No Suprises」であった。
ちなみにその後、エレカシのライブに行くと開演前のBGMでレディオヘッドの楽曲がしばしばかかるようになっていた。もしかしたらあの番組がきっかけだったのかもしれない。
Todd Rundgren「I Saw The Light」
覚えやすくてつい口ずさみたくなるキャッチーなメロディと簡潔にまとめ上げられているバンドサウンドで構成された、3分間ポップスのまさに教科書というべき曲である。
この曲への愛を語っていたのはザゼン・ボーイズの向井秀徳。たしかナンバーガールが解散してまだ間もないころに開いた自身の公式ホームページ内に掲載されていた日記の中で言及していたと記憶している。
複雑怪奇な音楽性でもって変態ロック道を歩み続けているザゼン・ボーイズだが、一方で向井の音楽にはナンバーガール時代から一貫してポップ性がいかんなく発揮されており、さらにトッド・ラングレンといえば「実験の人」とも言われている。最近トッド・ラングレンの音楽を聴くようになった筆者もなるほどなと思った。
The Beatles「Paperback Writer」
1966年にリリースされたシングルナンバー。印象的なギターリフ&ベースライン、幻惑的なコーラスなど、直後のサイケ時代を想起させられる曲で、作曲者はポール・マッカートニーである。
この曲をかつてライブでカバー演奏していたと『ロッククロニクル』というムック本の中で語っていたのがチバユウスケである。パンク、ブルース、ガレージロック、あるいはパブロックの人というイメージが強いので意外であった。
じっさい上に挙げたムック本の中で「ビートルズはほとんど通ってないんですよ」などと告白していて、なんでもアマチュア時代に組んでいたバンドでカバーしていたとのこと。しかもオリジナルよりテンポを数倍早めた高速バージョンであったらしい。
ただ、「好きな曲」とは記述されていないので、バンドのほかのメンバーの好みが優先されたうえでのカバーだったのかもしれない。
Scoobie Do「きれいなお姉さん」
スクービーらしいソウルチックな甘いメロディが秀逸なこの曲を称賛していたのはサンボマスターのヴォーカリスト山口隆である。
以前、スクービーのライブに対バンとしてサンボマスターが出演したときのことだ。そのライブを私も観に行ったのだが、ステージ上で両バンドが共演した際、スクービーのメンバーがいる前でしつこいぐらいに何度もこの曲を褒めちぎっていた。こちらはソウルミュージック愛好家の山口らしい納得のチョイスである。
以上です。また気が向いたら通常どおり続きを書くか、今回と同様に番外編としてなにかしら関連する楽曲を何曲かピックアップした内容の記事を書くつもりです。