『おじいちゃんはデブゴン』というタイトルが言いづらい問題

先月末から劇場公開されているサモ・ハン・キンポー主演の『おじいちゃんはデブゴン』が私の生活圏内に立地している映画館のほうでもこないだから上映されるようになり、適当なときに観に行こうかなと考えているのですが、ひとつ問題がありまして、というのは「そこの映画館はチケット売り場が券売機式ではない」ということです。

つまり、必然的に受付のカウンターにいるお姉さんへ向かって

「『おじいちゃんはデブゴン』一枚」

と言わなければならないわけです。

 

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いったい誰がこんなふざけたタイトルを付けたんだ!

もちろん私には知る由もないわけですが、なにしろ邦題がそうなっているんだから仕方がなく、まあ、やはり言うしかないのでしょうが、それにしても『おじいちゃんはデブゴン』って、果たしていい歳した大人が口にすべき言葉でしょうか。

前々回は昔レンタルビデオ屋でうんこを漏らしてしまった話を、前回は鼻毛カッターでケツ毛を刈り取ろうとしてヤケドした話を億面もなく投稿した私がこんなことを言ってもなんの説得力もないかもしれませんが、一応私も「恥ずかしい」という感覚はそれなりに持っているつもりです。

「というか、そもそもタイトルがなげえよ!」

ちゅう話なのです。

ぶっちゃけ、口にするのが面倒なのです。

かといっておもいきって短く省略してしまうのもいかがなものかと思うのです。

「『デブ』一枚」

受付のお姉さんだって人間です。たまには頭がボーッとしているときだってあるでしょう。

そんなときに

「『デブ』一枚」

なんて唐突に言われたら

「いや、そんなこと言われてもねえ……」

と思ってしまうのではないでしょうか。

とはいえ、私は太っていません。

「『デブ』一枚」

つまり、たとえ私がそう口にしたところで、「デブ」=「私」と認識されることはまず有り得ないと思われるのですが、この問題が複雑なのは、受付のお姉さんが万が一太った人であった場合、「単に私が受付のお姉さんに悪口を言った」と間違った解釈をされる恐れがあることです。

では、

「『デブ』一枚。8時50分の回で」

などと、もっと詳細に口にすればいいのかというと、これもなんだかまぬけに感じてしまいますし、だったらやっぱりフツーに「『おじいちゃんはデブゴン』一枚」でいいじゃないか、と考えるのですが、なんというか、恥ずかしがり屋でかつめんどくさがり屋の私としてはどうもふんぎりがつかないのです。

思うに、かつて『おっぱいバレー』や『40歳の童貞男』が劇場で公開された時も、似たような問題が起こったはずです。

「『おっぱい』一枚」

「『童貞』一枚」

上のごときセリフを吐き、受付のお姉さんを困らせた悪い輩がおそらく全国各地の劇場で多発したのではないでしょうか。SなのかMなのか、よくわかりませんが、セリフとしては間違っているわけではないだけにきわめて悪質と言わざるを得ません。

「『博士の異常な愛情、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』一枚」

なげえよ! 

言わずもがなのスタンリー・キューブリックの有名な映画ですが、受付のお姉さんを困らせてしまうという意味では同様の問題を抱えているわけで、真面目かつ几帳面な人間というのもちょっと考えものです。

などとぐだぐだ申しておりますが、そう長くは公開されないでしょうから、『おじいちゃんはデブゴン』は近いうちに観に行くつもりです。

気が向いたら「『デブ』一枚」と言うかもしれませんが、たぶん無理だと思われます(※いや、「ネット予約」という手があるのも知っていますが、すみません、一度も利用したことがないのでよくわからないのです)。