前回の記事で書いたとおり、昨日、ビルボードライブ東京で開催された小島麻由美のライブを観に行ってきたのであって、今回はその詳細についてレポしてみようと思いますので本日は何卒よろしくお願いいたしますというか、なにを何卒よろしくお願いしているのか自分でもよくわかりませんが、とりあえずよろしくお願いいたします。
さて、ビルボードライブ東京は赤坂にある東京ミッドタウンの4階にあるクラブ&レストランである。東京ミッドタウンはビルボードライブ東京に加えて、130に及ぶショップやレストラン、さらにホテルに文化施設にオフィスに病院に果ては住居までが集約された複合施設であるとのこと。ちなみに私は東京ミッドタウン自体、訪れるのがはじめてであった。
この日の小島麻由美のライブは、1stステージ(16時30分開演)と2ndステージ(19時30分開演)の1日2公演であり、私が観覧するのは2ndステージのほうである。
で、当日は東京ミッドタウンに18時に到着。
まだ開演までに時間があるのでミッドタウン内のショップを軽く偵察して暇を潰そうと思って店内にあったフロアマップを眺めてみたら、いきなり出鼻をくじかれた。
いかにも高級そうなショップばかりが入っているじゃないか。どれもこれも訊いたこともないような店ばかりだ。なんだ。なんなんだこれは。
かろうじてB1F内にユニクロや無印良品やTSUTAYAなどが入っているのを確認できたものの、いくら目を皿にして眺めてみてもほとんど私には縁遠いような店舗しかないのである。
あらがおうにも漂ってくるセレブ臭にめまいを覚えながら、まだちと早いがとりあえずビルボードライブ東京の場所を確認しようと4Fに移動。
ふーん。なるほど。こうなってるのか。なんだかシャレオツ感満載だ。
さて、どうしよう。時間を確認したら18時10分で、開演までまだ1時間半近くもある。
ユニクロか。無印か。TSUTAYAか。あるいは、こんな機会もないだろうから、ためしに1F・2F・3F内のセレブっぽい店にでも行ってみるか。まあ、行ってもなんも買わんだろうが。
なんてことをしばし考えてたら、案内係らしき人が
「まだ受付がお済みでない方は18時40分までにこちらのカウンターで受付を済ませてくださ~い!」
みたいなことを声を張り上げて言っているではないか。
なんだそれは。そんなシステムになってるのか。
慌ててカウンター(※上の写真の右の部分に写っている所)へ向かう。
私「すいません、なんか受付してくださいって言ってるから来たんですけど…」
カウンターのねーちゃん「はい、事前にお電話でご予約はいたしましたか?」
私「予約…? い、いや、してないです…」
カウンターのねーちゃん「では、こちらの用紙にお名前とお電話番号をお書きください」
どうやらチケットを手に入れた時点でこちらのビルボードライブ東京に電話すれば事前に座りたい席が確保できるシステムになっているらしい。帰ってきてからビルボードライブ東京のホームページを確認してみたら、たしかに「予約方法」という欄にそんなようなことが記されていた。
まさかそんなふうなシステムになっているとは思わなかった。まいりました。
「では、18時50分ぐらいにこちらの用紙に書かれた番号でお呼びしますのでお待ちください」(byカウンターのねーちゃん)
とのことで、結局、このまま席に座って待つことにした。まあ、ほかの店に行ったって買いたいものなんてないだろうし、どうでもいいといえばどうでもいい。
んで、ねーちゃんが言ったとおり18時50分ぐらいに私の番号が呼ばれ、そのまま会場内へと入場し番号順に列に並ぶ。10分ぐらいした後、中にいる受付の人にチケットとさっきねーちゃんから受け取った番号が記載された用紙を手渡しようやくすべての手続きが完了。と思ったら、もうひとりべつの人がやってきて席を案内してくれるという。いやあ、こんなライブ、はじめてだ。
案内係のねーちゃんに付いて行ってステージ内に入る。
私が案内されたのはステージ内の1階の席で、テーブルとイスが並べられていた。じつに豪華である。
周りを見渡してみると、すでに席の半分以上が埋まっている模様。まあ、でも、スペース的には小さ目なホールなので、どこの席からでもわりと至近距離でステージを観ることができそうだ。
案内係のねーちゃん「えー、おすすめはこちらの中央の席になりますが、いかがでしょうか?」
私「えっと、ほかのところもあるんですか?」
案内係のねーちゃん「あとはそうですねえ……あちらの端の部分になります。若干、音がこもり気味に聴こえますが、首をかたむけない楽な姿勢で観ることができるのであちらもおすすめです」
という感じでなんともご丁寧に案内してくんなさり、しばし考えた結果、最初に提案していただいた中央のやや後方にある椅子に着席。
案内係のねーちゃん「では、後ほどお食事とお飲み物を伺いに来ますのでこちらのメニューを見て決めておいてください」
早速、手渡されたメニューを確認する。
た、高い……。
うんたらのカルパッチョだの、フォアグラのどーたらだの、全部のメニューが1000円~3000円近くするではないか。
ま…まあ、とりあえず食いものは後回しにするとして、とりあえずコーラでも頼もう。
ドリンクのメニューを見てみる。
「コカコーラ ¥720」
あやうく卒倒しかけた。
結局、コーラとマルゲリータ(¥1980)を注文した。
「まあ、雰囲気代と思えば安いものだ」
と自分に暗示をかけて強引に納得した次第。
あとで思ったが、「いや、宗教的な理由で…」だとか無理くりな理由を付けて「なんもいらん」という返答は「あり」だったのだろうか。宗教入ってないが。
わからん。まあ、いいや。
なにはともあれ、数分後に運ばれてきたマルゲリータとコーラを飲み食いしつつ開演を待つ。
待っている間、なんとなくほかの客らを眺めてみたら、私と同じようなカジュアルめな服装の人がほとんどで安心した。気合い入れてタキシードに蝶ネクタイなんて恰好をしてこなくて本当によかった。
そして19時半、場内が暗転する。小島麻由美とバンドメンバーらがステージに登場である。
オープニングナンバーは「おしゃべり!おしゃべり!」。デビューアルバム『セシルのブルース』に収録されているジャジーかつパンクなナンバーで会場があっという間にあったまってゆく。
その後もこの日の会場に合わせてか、「セシルカットブルース」や「ポルターガイスト」「ハートに火をつけて」など、初期から中期にかけてのジャズ調の楽曲が大半を占めるセットリスト。小島麻由美の歌やお馴染みのギターの塚本功はパフォーマンスはもちろん、この日バックバンドとして加わわっていた勝手にしやがれのメンバーらの演奏もすこぶるよろしい。オシャレで豪華絢爛。いやあ、なんともいい雰囲気だ。
この日、個人的に一番の収穫だったのはドラムを務めていた勝手にしやがれの武藤昭兵である。
ドラムの演奏はきっちりスウィングしていて聴きごたえ充分だったし、中盤に一曲、アンコールでは小島麻由美とデュエットで歌を披露。和田アキ子と富士サファリパークの歌を歌っている人とクレイジーケンバンドのヴォーカルの人の声を足していい塩梅に攪拌したようなハスキーな歌声にしびれた。
家に帰ってからYouTubeで勝手にしやがれの動画をいくつか観たが、中でも「罠のような午後」という曲がとてもよかった。
ジャジーでムーディでメロウなサウンドがじつに心地よい。
うん。CD買おう。
ラストは「GOLD&JIVE」でライブ終了。
基本的に席に座りっぱなので演奏に合わせて身体を動かしにくかったのと、ビルボードライブ東京という「アダルト向けな会場」のためか、ライブハウスなどに比べて全体的に音量が少しおとなしめであったことを除けば、概ね満足であった。
というわけで、ライブも終わったので帰ろうとしたのだが、最後に「おまけ」が待っていた。
3時間くらい停めて駐車代金2200円也。
「なんでもいいから買っときゃタダか割引されたはずだったろうに……」
阿呆と言うしかない。