「大将」といえば欽ちゃんこと萩本欽一である。さらに、寿司屋やラーメン屋、あるいは居酒屋の店主らが呼ばれているイメージがある。
たとえば寿司屋の場合、
「じゃあ大将、熱燗もらおうかな」
「へい。熱燗一丁!」
みたいなやりとりはドリフのコント等でよく見られる風景だ。
ただ、寿司屋やラーメン屋や居酒屋にしても個人経営の店主に限るらしく、たとえばスシローで寿司を握っている職人に向かって「大将」と呼ぶとなると、なんとも言い難い違和感を感じる。
同じようにくるまやラーメンや白木屋の店主も「大将」とは無縁の存在であろう。もちろん、くら寿司やかっぱ寿司、ラーメン花月や幸楽苑、魚民なり天狗なりの店主らもけっして「大将」と客らから親しみを込めて呼ばれることはないはずだ。
しかしながら、「個人で経営している店主」=「大将」になるかというと、必ずしもそうとは言えないだろう。
たとえば、個人で経営している理容室の店主のことを「大将」と呼ぶ人間がはたしているだろうか。
「マスター」
そう、マスターですよ。
いまだかつて私はそう呼んだことは一度もないが、なんにせよ理容室の店主といえば「マスター」が一番しっくりくる。
あるいは、洋風のバーの店主に関してもやはり「マスター」だ。
なんだかわからないが、とにかく「大将」は違う。どうもしっくりこない。
では、個人で経営している文房具屋の店主はどうか。ペットショップやマッサージ店の店主、あるいは接骨院の院長はどうなのか。「大将」ではないことはあきらかだし、ましてや「マスター」など言語同断だ。
いったい、「大将」と呼ばれるための条件とははたしてなんなのか。
まあ、どうでもいいっちゃ果てしなくどうでもいい話であるが。
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