昨日は朝から晩までウルトラマンのテーマ曲が脳内エンドレス再生されるという事態に陥りかなり死にそうになりました。10回は死にかけました。
前の日にウルトラマンのテーマをしこたま聴きまくったわけでもないし、もともとウルトラマンにとくに思い入れもないのに、わけがわかりません。
これも心が病んでいる影響なのでしょうか。
いずれにしても、とくに好きでもない曲が朝から晩まで脳内エンドレス再生されることほど苦みばしった状況もそうそうないでしょう。
昔、某TSUTAYAでバイトしていたときの話です。
B´zの既発シングルが板チョコのような形をしたモノからマキシ化されて再リリースされるということで、店でB´zの販促キャンペーンが展開され、 そのせいで、バイトに行けば必ずB´zの曲が店内で流されてるという事態にしばらく陥りました。
なにしろ朝礼が終わって店が開いたら
「ウッルットッラソウ!」
昼休憩が終わり戻ってきたら
「コッマッチッ、エ~ンジェル!」
で、ようやくバイトが終わって家に帰ってきたと思ったら
「ウッルットッラソウ!」
脳内ではB´zの曲がひっきりなしにエンドレスで鳴り響いているわけで、あの時も相当に地獄でした。そんな事態がたしか2週間ほど続いたので、たぶん毎日50回は死にかけてたと思います。
まあ、それでもB´zのことを嫌いになれなかったのは、中学のころ、B´zのCDを買ってしょっちゅう聴いていたからでしょう。
B´zの前によく聴いていたのはBOØWYです。その頃、BOØWYはすでに解散していましたが、周りの友達連中がほぼ例外なくBOØWYを好きだったこともあり、私も自然と興味を持つようになったのです。すぐにはまり、信者と呼ばれてもおかしくないぐらい熱烈なファンになりました。
月日は流れ、洋邦のいわゆるロキノン系と呼ばれているようなロックバンドを熱心に追いかけるようになり、B´zもBOØWYも聴かなくなったある頃、布袋が書いた『秘密』というタイトルの書籍が刊行されました。
- 作者: 布袋寅泰
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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BOØWY解散の真相を綴っているという触れ込みでしたが、とくに読みたいとは思いませんでした。それからまた数年後、ブックオフで安く売られているのを見つけ、なんとなく買って読んでみました。
内容的には、布袋の複雑な出自や家庭環境、BOØWY時代における様々なエピソード、COMPLEX時代の相方である吉川晃司とのかつての仲睦まじき姿、さらにはデヴィッド・ボウイ、ジョニ・ミッチェルといった海外大物ロック・スターたちとの交流についてなど、興味深い話の連続で、思っていた以上に楽しく読めました。
とくに、BOØWYがまだ無名だった時代、ロックフェスと勘違いして出演した田舎の村おこし会場での顛末を綴ったエピソードは、話のマヌケさと布袋の実直な性格が反映されたストレートかつパワフルな筆致が奇跡的なバランスで融和した結果、極上のオモシロ話として昇華されており爆笑必至です。
また『秘密』には、布袋独特の言語が満載されているのも楽しかったです。
例を挙げると、
「鈍行にのんびり揺られても3時間弱のショート・トリップ」
「『アーチストなんだからクールでいろよ』などという、俺のロックスピリットを固持する理性の堤防は決壊してしまった」
「どのストリートを歩いていても、大好きだったミュージシャンが同じ道を踏みしめていたのかもしれないと思うと、俺の鼓動は愛しい8ビートに包まれるのだった」
以上のような、日本語と英語を組み合わせた文体の、ややナルシシスティックでかっこ良さげな、ようするに、いわゆる「ロケンローな言い回し」です。
もちろん、こういった「ロケンローな言い回し」は布袋にはじまったことではなく、矢沢永吉や内田裕也、さらには布袋の盟友ヒムロックの歌詞などでもしばしば散見されます。それが言語として正しいのか、誤っているのか、という問題は置いといて、ともかく「なんだか面白い」ということは間違いないと思います。
で、読んでてふと気づきました。
「この『ロケンローな言い回し』って、ルー大柴が使う『ルー語』と原理は一緒なんじゃねえか?」
論より証拠です。
以下のルー語をヒムロック作詞のBOØWYのヒット曲「マリオネット」のメロディに乗せて口ずさんでみてください。
「レイトゥリー、私にボイスを掛けてくれるピープルが増え、“変装してるのにWhy?”とアスクしたくなる」
いかがでしょう? まったく違和感なく聴けるではありませんか!
って、んなわけないですね。失礼致しました。100回、死んできます。