ケン「涼しい日々が続き季節の変わり目を感じる今日この頃だが、今回は夏を惜しみつつこんなアルバムを取り上げてみることにしてみたぞ」
マイク「なるほど。夏といやキャンプだしな。にしても、えらい盛り上がりようだな。むちゃくちゃ楽しそうじゃないか」
ジェーン「まさに気分はパーティって感じね。なんだかこっちもワクワクしてきちゃうわ」
ケン「まあ、なんてったってキャンプなんだから、これはもう、盛り上がらないわけにはいかんというものさ」
マイク「俺も中学の時の修学旅行でキャンプを体験したことがあるが、なんだか異常に盛り上がったしな。というか、キャンプ行って盛り上がらない奴の方が異常だよ」
ジェーン「でも、そういやキャンプでのご飯って、大抵バーベキューかカレーをみんなして作って食べるっていうのが定番よね。あれってなにか決まりでもあるのかしら」
マイク「たしかにそういうイメージがあるな。おでんとかでもべつにいいんじゃないかと思うし」
ジェーン「空気も水も綺麗だし、なによりみんな最高に盛り上がってるんだから、キャンプで食うおでんだってきっと最高にうまいはずだわ」
ケン「まあイメージというか、ようするに“はんぺん”とか“ちくわぶ”とか、なんだか語感がマヌケなので、せっかく開放的な気分でいるのに萎える、ってことなんだろうさ。食ったら食ったで、うまいことはうまいんだろうがな」
ジェーン「なるほどね。ただ、語感の問題だったら仕方がないにせよ、キャンプで食うおでんだって絶対うまいに決まってるわよ」
マイク「というか、キャンプで食えばなんだってうまいに決まってるさ。たとえばうんこなんか試しに食ってみると、案外イケるかもしれんぞ」
ケン「ああ、空気や水が綺麗だし、なにより気分が高揚してるんだから、そりゃあうまいんだろうさ。ただ、ひとつ問題があるとすれば、うんこを喰らうという現実を、各々が倫理的にどう受け止められるか、ということなんだろうがな」
マイク「なんだか思いのほか話がでっかくなってきちまったな」
ケン「やれキャンプだ、パーティだっつったって、楽しいだけじゃ人生はやっていけないということさ。そしてそれは今回取り上げてるこのアルバムにも言えることなのさ」
ジェーン「一体どういうことなの?」
ケン「たしかに“楽しい”も大事だが、“うんこ食いたいんだけどなんか食えない”といったような苦悩からもけして目を逸らさずに表現する。だからこそその楽曲には人間としての奥行きや深みが生まれる。そういった極上のパーティ・チューン11曲が収録されているのが本作ってわけなのさ。で、そんなご大層なことを吐いてる俺だが、むろん中身のCDなんざ一ミリも聴いてない」
マイク「わかってたさケン。だから、もういいかげん涙を拭けよ」
ケン「ありがとう。で、ま、なんやかんや言って最終的に気になるのは、“で、こいつら、ヤってんのか?”ってことだな」
マイク「だな。男のサガってやつさ」
ケン「むろんさ」
ジェーン「ふたりともうんこ食って食中毒になって死んだらいいと思うわ」