そこまでして濡れたくないものか?

梅雨である。

関東地方は昨日・今日と晴れたが、明日はまた雨が降るらしい。

んで、今週の月曜だったか火曜だったか忘れたが、その日も天気が悪かった。朝から曇り空で気温が低く雨が降ったり止んだりしていた。

仕事を終えた私は徒歩で自宅へ帰るところだった。道中、また雨が降ってきたが小雨程度で、まあ傘をさすほどでもないな、と思いつつ、わりと急ぎ足で歩を進めていた。

しばらく歩いてたら雨宿りをしているのだろう、アパートの軒下にひとりのおばさんが立っているのが見えた。こちらに背を向けた状態で、スーパーやコンビニなどでよく使われるようなビニール袋(↓のよーなタイプのやつ)を手にしながらなにやらガサゴソやっている。

 

 

で、その刹那の出来事だった。驚いた。

なんとおばさん、頭上にビニール袋を掲げると勢い良く顔面をするりと挿入、そのまま取っ手の部分を顎下に持ってきて結いでいるではないか。 

「ビニール袋おばさん」爆誕なのである。

じつのところ、私が「ビニール袋おばさん」を見るのははじめてではない。

10年ぐらい前だったか、やはり仕事からの帰り道、急ににわか雨が降ってきて、駅前のビルの軒下で私は雨宿りしていた。すると、スーパー&コンビニ用のビニール袋を頭から頬にかけて包むように被り顎下で結んだ状態で猛然と自転車を走らせているおばさんが目の前を通り過ぎていったのだ。

あの時も驚いたが、今回の「ビニール袋おばさん」はもっと凄い。なにしろ顔面まるごとビニール袋で包み込んでいるのである。

呆気にとられて思わずおばさんの目の前で立ち止まってしまった。したら、ビニール袋おばさんは急に慌てた様子で両の手を前後左右に激しく動かしはじめたではないか。ビニール袋ごしからゼーゼーハーハー言っているのが聞こえてくる。

息ができていないのである。

穴、開けてねえのかよ!

「だ、大丈夫ですか!!!!」

「ゼーハーゼーハーゼーハーゼーハー!!!!」

ビニール袋被ってるから声聞こえてねえよ! 

「ちょ! 大丈夫ですか!!!!」

「フゴー!! フゴー!! フゴー!! フゴー!!」

やっぱ聞こえてねえよ!

死ぬぞ!

俺は人がばんばん死ぬアクション映画とかわりと楽しんで観るような人間だけど、さすがに目の前で死人を見るのは目覚めが悪いぞ! しかも雨よけのためにビニール袋を被って窒息死って、素直に悲しんでいいのか、かなり微妙だぞ!

早くビニール袋脱がさなきゃ!

手を差し伸べようとした刹那、ようやくおばさん自らビニール袋を手で強引に引きちぎった。

命からがら赤ら顔状態のおばさんと直後、目が合った。

「あっ……。いや、傘がなくてね。だから、ま、その……」

聞いてもいないのにおばさんは恥ずかしそうに言った。

素朴に思うのだが、そこまでして濡れたくないものか? 小雨じゃないか。いや、たとえ土砂降りだったとしてもさすがに顔面ビニール袋状態で街を歩く勇気は私にはないよ。そんなことするぐらいだったら潔く雨に濡れるよ。もしくは近くのコンビニにダッシュで駆け込んで傘買うよ。

とりあえず、「やっぱ、おばさん最強!」という結論を出したところで、本日はこれにておしまいとさせていただく。

 

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