塚本功「GWスペシャル2DAYS」2日目【ゲスト:奇妙礼太郎】@下北沢lete(2019/5/4)

先週の土曜は塚本功ライブ「GWスペシャル2DAYS」@下北沢lete。前日にゲストとして迎えられたのはピアニカ前田だったそうだが、私が観に行った2日目のこの日のゲストは奇妙礼太郎だった。

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まずは塚本功がソロで登壇。お馴染みの豊穣このうえないギター演奏にしばし酔いしれる。

ああ、やっぱいいわ。酒に合います。つうか、なんか歌のほうも観に来るたびにどんどん上達しているような気がするのは気のせいだろうか。

命日が近いということで忌野清志郎の曲も演奏していた。ちなみにこの後の奇妙礼太郎を迎えたステージにおいてもやはりRCサクセションの「スローバラード」をカバーしていた。

正直、私はRCも忌野清志郎の音楽もまともに聴いたことがない。

べつに嫌いとかそういうわけではない。本腰入れて聴いてみようか、みたいなきっかけがなんかなかったのでいままで聴いてこなかっただけだ。しかし、よくよく考えてみると、この日の塚本功や奇妙礼太郎のみならず、エレカシの宮本浩次もフィッシュマンズの佐藤伸治も坂本慎太郎も松崎ナオも、俺が敬愛してやまないミュージシャン達はこぞって忌野清志郎へのリスペクトを表明しているではないか。

どんだけ影響を与えているんだ、忌野清志郎。マジで本腰入れて聴いてみよう。

んで、第2部の塚本功&奇妙礼太郎である。

これがほんとうに良かった。素晴らしかった。

奇妙礼太郎に関しては名前だけは昔から知っていたが、彼の音楽はこの日の予習のために最新アルバムである『More Music』を購入し何度か耳にした程度だった。あとは、YouTubeで軽くチェックして、歌が上手いな、声が良いな、カバー演奏がやたらと多いシンガーだな、ぐらいの印象だった。その印象は合っているといえば合っていたし、ある意味、間違ってもいた。

一曲目はビートルズのカバーでも有名なオールディーズナンバー「Till There Was You」。

奇妙礼太郎が歌いだした瞬間、空気が震えた。

大袈裟ではない。そう感じた。

なにしろ歌が「素晴らしく」上手いのである。声が「素晴らしく」良いのである。しかも、とんでもなくエモーショナルに歌い上げる素晴らしいシンガーだったのである。しかもしかも、ギターの弾きっぷりが塚本功に負けないぐらいとてもとても素晴らしいのである。あえて陳腐な表現で言い切ってしまうなら、これはもう、「魂に響く」とかそういう類のものだ。それでいてまったくもって「押しつけがましい表現」がないのがまた素晴らしく良いのである。

ああ、なんで俺はこんなとんでもない才能を持ったシンガーをいままでほとんどチェックせずに生きてきたのだろうか。

ともかく、塚本功と奇妙礼太郎、気心がしれた両者の、和気藹々とした掛け合いがじつに心地よく、それでいて凄まじくエモーショナルかつソウルフルなパフォーマンスは、もうほんとうにお見事としか言えない内容だった。そして、「エロい関係」と「東京23区」は本物の名曲だともあらためて確信した。

奇妙礼太郎。そこそこ良いシンガーだとは思っていたが、とんでもなかった。嬉しいサプライズだった。あとは忘れてはならない忌野清志郎。この人もマジで本腰入れて聴こう。

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