2017年6月の消化物(映画,音楽,本)

今後はこの一か月の間に観たり聴いたり読んだりした映画・音楽・本などについて、単体の記事としてそれなりの長さの文章になりそうにない場合、メモ帳的に書き残していこうと思う。

題して「今月の消化物」だ。

なにぶんめんどくさがりやの人間なので、気分次第で書かなかったりする月もあるかもしれないが、そこいらへんは例によって「本当にいいかげんなやつだな」ということでご勘弁願いたい。

 

【映画】『おじいちゃんはデブゴン』

少し前の記事で書いたとおりこないだ観に行ってきた。

 


なんてったってサモ・ハン・キンポーの『デブゴン』なんだから愉快なアクション活劇を期待していたのだが、これがなんつうか

「さあ、泣かせてあげましょう」

というムードが終始充満していて少々戸惑った。アクションシーンも思っていた以上に少なかった。

いや、けっして面白くなかったわけではない。

とはいえ「感動的な人間ドラマ」なんていくらでもあるんだから、やっぱりサモ・ハンにしか出来ない「動けるデブ」「愉快痛快なアクションスター」を死ぬまで演じていただきたいと思った次第。

ちなみに上の記事では映画館の受付嬢に

「『おじいちゃんはデブゴン』一枚」

「『デブ』一枚」

どちらのセリフを吐いたら良いか迷っている、と書いたが、結局、私が選択したのはいちばん無難な

「『デブゴン』一枚」

でした。

当たり前だが、

「はい、『デブゴン』ですねー」

と受付嬢……というか受付のおばはんもフツーに応対してくれました。

 

【音楽】リアム・ギャラガー「Wall Of Glass」

www.youtube.com

正直まったく期待していなかったソロデビュー曲だが、動画を再生したらイントロからいきなり気合い入ったブルースハープが聴こえてきてびびった。

相変わらずとくにヤマもオチもないメロディ・展開で構成されている曲であるものの、ひじょうにエッヂが立った「ロックなサウンド」が、じつに頼もしくてよろしい。ビーディ・アイの「ベビカモン」には脱力したが、個人的にはあれよりか全然好きである。

ただ、あと10回ぐらい聴いたら飽きてしまいそうな予感がしないでもないが。とりあえずアルバムを楽しみにしている。

  

【音楽】ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(2CD)

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(2CD)

 

リリース50周年を記念して新装発売されたモノで、自分が購入したのは2CD形態のバージョン。普段ヘッドフォンやイヤフォンで音楽を聴く身としては、ヴォーカルがちゃんと中央に配置されるようになったのは、嬉しい、じつに喜ばしいことだ、と思う一方、2014年のリマスター盤と同等の感動は味わえなかったというのが正直な感想だったりする。

にしてもあらためて感じたのは、『サージェント・ペパーズ』は、最初から最後まで通して聴いてこそ、最後の「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の感動がハンパなく味わえるということだった。

 

【本】松村雄策『僕を作った66枚のレコード』

僕を作った66枚のレコード

僕を作った66枚のレコード

 

一昔前までは音楽(おもに洋楽)雑誌を熱心に読みこんでいた私だが、気づけば音楽ライターの書くしちめんどくさい評論文にはほとんど関心がなくなってしまった。ただし『ロッキング・オン』の松村雄策さんだけはべつで、著作が発売されたら必ず購入している。

で、この本は『ロッキング・オン』の松村氏の連載記事をまとめたもので、お馴染みの端正な文体でもって、音楽への愛、ビートルズへの並々ならぬ偏愛が、これでもかとばかりに展開されている。小難しい音楽的考察など一切なく、ちょっぴりせつなくてほっこりできる安心安定の松村節全開の本である。うん、やっぱり好きだ、この人の文章は。

昨年末に脳梗塞を発症されてしまったとのことだが、こないだのポール・マッカートニーの来日公演は無事に観に行かれることは出来たのだろうか。とにかく、いちファンとしては、焦らずのんびりとでいいので健康体を取り戻していただき、またいつかリリースされる新刊で「松村節」を存分に楽しませていただきたいと願うばかりである。

 

【本】清水ミチコ『私の10年日記』『主婦と演芸』

私の10年日記 (幻冬舎文庫)

私の10年日記 (幻冬舎文庫)

 
主婦と演芸 (幻冬舎文庫)

主婦と演芸 (幻冬舎文庫)

 

ブックオフの文庫本100円コーナーで購入。

正直なんとなく買ってみたって感じの本だったが、これがとてもおもしろくてびっくりした。

とにかく「オモシロセンサー」がじつに鋭敏で、ときおり炸裂する毒もまったく嫌味がなく、しかもサクサク読める。そういった意味では、「女性エッセイスト界の大槻ケンヂ」と言えるかもしれない。

いや、単にちょっとモノマネが上手な人だと完全になめてました。自分を恥じるばかりだ。清水さんのライブのほうも観に行きたくなった。

 

以上です。気が向いたら来月も書きます。