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女はいつ「おばさん」になるのか

日常

こんにちは。こないだちょっとした用件で仕事の取引先の人のお宅へ伺ったのですが、そこんちは夜や留守のときじゃないかぎりドアは基本的にオープン状態なんであって、まあ便宜上、一応チャイムを鳴らしてから毎度やっているように勢いよく玄関のドアを開けたところ、目の前に上半身ブラジャー姿で佇んでいる取引先の人の奥さんがいらっしゃって、いろいろとガッカリしてしまった者です。

なにしろ奥さんつっても60ちかくのおばさんなのである。

おいばばあ、早くなんか着ろ!

「いやん!」とか言って照れるんじゃない!

こっちが「いやん!」って言いてえよ!

にしても、おばさんというのはあれですね、なんつうか「メンタルが鉄で出来ているな」と思うのである。まだまだ若輩者の私であるが、これまで少なからず出会ってきた「おばさん」という生き物、彼女らから何事にも動じない「たくましさ」みたいなものを強く感じるのだ。

「基本、女は男より力は弱いがメンタル的にタフな生き物で、男はメンタルの弱さを補うために体力を身に着けた」

という、どこかで耳にしたことがある言説もあながち間違ってはいないような気がする。

まあ、こんなふうに書くと「主語がでかい」というネットの世界でよく見られる突っ込みをされそうではあるが、少なくとも私のようなメンタルがか細い人間からすると、メンタルお化けなおばさんという生き物は、この世知辛くも過酷な競争社会を生き抜くうえで見習いたい対象であり、ある意味、憧れの存在でもある。なんなら、母親の体内から誕生する際、子供としてではなくおばさんとして生まれてきたかったとすら思う。

そこで今回は、これまで私が出会ってきた見習うべきメンタルお化けなおばさんの例をいくつか紹介したいと思う。

 

①パンチパーマのおばさん

私の親戚に長年パンチパーマを貫き通しているおばさんがいる。正確にはパンチパーマではなく「パンチパーマが若干伸びたような髪型」なのだが、見た感じ「ほぼパンチパーマ」と言っていい。ある時、訊いてもないのに「この髪型ってラクでいいのよね~」とおっしゃっていた。たしかにラクはラクなのだろうが、男から「性の対象」として見られることはまずないだろう。本人も「べつにもうモテる必要ねーわ」と思っているかもしれない。もしかしたら「モテ」を捨てたとき、女は「おばさん」という生き物になるのではないか。もうはっきり言って無敵です。ちなみに私は尊敬の意味を込めて陰でこのおばさんのことを「大仏様」と呼んでいる。

②髪を紫色に染めているおばさん

街で数度見かけたことがあるが、毎回見かけるたびに度肝を抜かれる。髪を紫色に染めている人物といえばマンガ『湘南爆走族』の主人公・江口洋助しか思いつかないが、まさかあれの真似をしているわけではないだろう。いったいどういう意図があって髪を紫色に染めたりなんかしているのか。「目立ちたい」ということなのだろうか。「人と一緒じゃイヤ!」ということなのだろうか。いずれにしても、相当強靭な精神力の持ち主でなければ実用できない髪色だろう。

③わざわざ邪魔になる場所に自転車を停めて立ち話をするおばさん

これは「あるある」という人も多いのではないだろうか。なぜか車道部分にかなりはみ出た場所にチャリンコを停めて立ち話をしているおばさんらのことであって、もはやお馴染みの光景と言っていいだろう。車を運転している側から言わせてもらえばもちろん邪魔だしなにより危険だが、当のおばさんらはまったく気にしているそぶりもない。「気にしてない」というか、「つーか、アンタがよければいいんじゃないの」と言わんばかりである。 とてつもないメンタルである、と感心するしかない。

④一時停止の車線を無視して自転車で突っ込んでくるおばさん

これも街の風物詩と言っていいほど誰もが見かけたことがある光景であろう。私自身、昔、車を運転中にこのような神風アタック的な行為をされ、あやうく轢きかけたことがある。そのときは、すんでのところで急ブレーキを踏み難を逃れたのだが、驚愕したのはおばさんのその後の対応だ。車中で肝を冷やしつつ停まっている私に一瞥をくれるどころか完全に無視して通り過ぎて行ってしまい唖然とした。無視というか、まったく気づいてないし、周囲を気にしている様子すらまったくなかった。交通ルールというのは国が定めるものではなく、「おばさんが決めたことが交通ルール」なのかもしれない。

⑤バンドTシャツを着て街を悠然と歩くおばさん

もちろん誰がなにを着ようが基本的に個人の自由である。おばさんがバンドTシャツを着ていたって一向にかまわないし、私が難癖つける問題では当然ながらない。だが、私は見てしまった。ピンクフロイドのTシャツを着用しているおばさんだ。しかもその格好で老人ホームに入っていったのだから驚いた。ロックが好きそうなおばさんにはとてもじゃないが見えなかったし、なによりピンクフロイドのTシャツ着て老人ホームってことはないじゃないか。きっとロック好きな息子が実家を出る際に置いて行ったものなのだろう。ようするに息子にとっては「いらない」Tシャツである。しかし、おばさんからしたら、「まだ着れるんだからもったいない」ということなのだろう。私も勇気を出して母のおさがりである熊のプーさんのTシャツを着てみるべきなのかもしれない。

 

……まだまだあった気がするが、とりあえずこんな感じだろうか。

最近ブログをがんばって書いているつもりであるものの、あいかわらず不人気ブログのままで少々へこんでるわけであって、私の当面の目標はおばさんのような鉄のメンタルを手に入れることだ。

ああ、おばさんになりたい。