映画『60セカンズ』‐ほとんどマンガな映画。だがそれがいい‐

 

まことに申し訳ございませんが最近巷で流行っているらしいポケモンGOなるものに俺はいっさい興味がない。

まずそもそもゲーム自体に興味がない。というかそれ以前にガラケーなのでポケモンGOを仮にいますぐやりたいと思っても出来ないし、大体からしてポケモンのことをよく知らない。

「あの黄色のネズミみたいなバケモノが、どうやらピカチュウと呼ばれているらしい」

というのが俺のポケモンに関する全知識であって、ほかにも紫色のゾウっぽいバケモノとかゼブラ柄のコウモリふうのバケモノとか、まあ、いろいろいるのでしょうが、当然ながらそんな知識も愛着もないキャラクターどもを収集したいとは思うはずもなく、なので、おそらく今後もポケモンGOをプレイすることはないだろう。

しかし、これが仮にポケモンではなくほかのキャラクターであった場合、どうであろうか。

たとえば、「ニコラスGO」だったらどうか。

もちろん「ニコラス」とは、米ハリウッドスターのニコラス・ケイジのことだ。

ゴーストライダー』のニコラスや、『スネーク・アイズ』のニコラス等、公園や山や川など、街中の至る所に出現する「いろんなニコラス」をゲットして楽しむゲームである。

これはやってみたい。ぜひともやってみたい。「ニコラスGO」をやりたいがために、とくに必要性を感じないスマホに機種変してしまうかもしれない。

ちなみに一応断っておくが、俺はべつにニコラスのファンではない。全然違う。

ニコラスが出ている映画を全作品観賞しているわけではないし、ニコラスの生年月日なんぞももちろん知らない。ましてやニコラスの家族構成とか趣味や特技も知らないし興味も関心もない。そういう意味では俺にとってポケモンとニコラスは同レベルである。

ただ、ニコラスの顔はおもしろい。髪型もおもしろい。個人的には少なくともポケモンよりもずっとおもしろい見た目していると思うし、いろんな意味でじつに魅力的な人物だと思う。つい収集したくなるのでは、と思う。

……と、こんなふうにとくにファンでもないニコラスのことを考えてしまうのには、じつはちゃんとした理由がある。

というのも、いま現在、俺の部屋のPS3に繋いであるトルネに観てない映画がわんさかたまっている。

「あっ。この映画、観てないわ。とりあえず録っておくか」

と、テレビの地上波で放映される未見の映画をかたっぱしから録画したはいいが、全然観ておらず、気づいたら300本ちかく溜まってしまっている状態なのだ。

ちなみに今残っているデータで一番昔に録画したのがロマン・ポランスキー監督作の『吸血鬼』という映画で、2010年10月27日に午後ローにて放映されたものである。

6年も前に録った映画なのにいまだに観ていない。

もうここまで来たらいっそ観なくていいのでは、と思ったが、とはいえせっかく録ったのにもったいないじゃないか。

いいかげん外付けハードディスクの容量もなくなってきたので、トルネの中を断捨離しよう。ってことで、とりあえずデータを調べてみたら、ニコラス主演の映画がやたらと録画されていることに気づいた。

これもなにかの縁だ。ニコラスの映画から断捨離していこう。まあ嫌いじゃないし。

ということで、ここ数日のあいだニコラス主演の映画ばかり立て続けに観賞するハメになってしまった。結果、ニコラスのことで頭がいっぱいになっている状態なのだ。

とりあえずここ4日間で、『フローズン・グラウンド』、『ノウイング』、『ナショナル・トレジャー』、『60セカンズ』を観た。個人的に一番たのしめたのが『60セカンズ』である。

ストーリーは単純明快。今は単なる車修理の工員だがじつはかつては車の窃盗のスペシャリストとして名を馳せたニコラス。ある日、かつてのニコラスと同じく、車の窃盗で生計を立てている弟が凶悪な連中に捕らわれの身となったという報が耳に入る。弟の命を救うための条件は、60時間以内に指定された高級車50台を盗むこと。どうなるニコラス? 負けるなニコラス!

……と、ざっくり言ってしまえばそんなような映画であった。

「あまりにあっさりと成功しすぎでは…?」

と思えてしまう窃盗のシーンやらムチャクチャなカーアクションやらに加え、アンジェリーナ・ジョリー演じるクールでセクシーな美女、実力は超一流だがなぜか極端なまでに無口な男、オモシロ黒人などの仲間たちもやたらとキャラが立っていて、もうほとんどマンガ。

だがそれがいい

人生だの社会的な問題について深く考えさせられるような内容なんてニコラスの映画に求めてないし、むしろマンガなキャラクターを演じてこそニコラス、これぞニコラス、という気さえする。そんな映画だった。

もちろん結末もほぼ想像通り。鼻クソほじほじして屁たれながら気軽にたのしめる映画である。うん。やっぱニコラスっていいなあ。顔も髪型もおもしろいし。

ただ、作品によってヅラ被ったり被らなかったり、そこの線引きだけがいまいちよくわからなかった。そんな謎めいた部分もまたニコラスの魅力と言えるのかもしれない。あるいはそんなことはないのかもしれない。

とりあえずトルネに残っているニコラス映画は、あとは『コン・エアー』と『魔法使いの弟子』のみだ。これらを数日中に観賞し、地獄にいるかのごとく長く感じられた俺の「ニコラス祭り」がようやく終わりを遂げる。ありがとう、ニコラス!

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