ブックオフの洋楽CD売り場へ行くと棚に入っているCDの配置がかなりいいかげんな状況になっていることにしばしば気づかされる。
たとえば、オアシスの『The Masterplan』というアルバムがあるが、「Oasis」なんで当然「O」の棚のところに入っているべきなのに、あろうことか「M」のところに入っているのを何度も見たことがある。
というのも、このCD、背表紙には『THE MASTERPLAN』というタイトル名が中央の部分に大きめな文字で記載されている。もちろん「oasis」という文字も上の部分に記載されてはいるのだが、いかんせん文字がかなり小さい。
なので、おそらく
「あー“THE MASTERPLAN”っていうバンドね。じゃあ、「M」の棚に入れとけばオッケーだな。うん」
ってな感じで、結果、間違いが生じていると推測される。
それにしたって、CDのジャケットや裏ジャケの部分にも「oasis」という文字がしっかりと記載されている。じつにいいかげんであると言うしかないのであって、かつてブックオフでバイトをしていた俺としては看過できない状況だ。ブックオフの店員どもには猛省を促したい。
まあバイト、一ヶ月でやめたけど。
あと、「K」の棚のところに『K・ODA』というCDが入っているのも何度も見たことがある。
こちらのCDである。
もちろん小田和正のCDであって、もはや洋楽ですらない。
このCDは背表紙には『K・ODA』としか記載されてない。なので、このような状況がしばしば発生するのだろうが、にしてもジャケットをちゃんと確認すれば一発でわかるだろう。つーか、「K・ODA」なんていう名前の洋楽ミュージシャンなんてどう考えたっていないってわかりそうなものじゃないか。
あと、クリス・ハートという人のCDも洋楽の棚で見かけるが、クリス・ハートは果たして「洋楽」なのか。俺の拙い知識では、クリス・ハート=「J-POPをやたらと流暢な日本語で歌いこなす黒人シンガー」であって、以上のことから考えるに、ジャンルとしては「邦楽」が正しいのではないか。
などと思いつつ邦楽CD売り場のほうに移動してみると、頭文字が「く」のミュージシャンの棚にもクリス・ハートのCDが入ってたりする。わけがわからない。
まあ、べつに洋楽でも邦楽でもどっちでもいいが。
というわけで、3回目となる「ブックオフのCD280円棚でよく見かけるオススメ洋楽アルバムを紹介してみる」の記事を書いてみようと思う。
まあ、今回もじつにベタなチョイスだ。ベタだが、聴いたことがない人だって当然いるわけであって、そんな人のお役に少しでも立てれば幸いです。
Oasis『The Masterplan』
で、前述した問題のアルバム『The Masterplan』である。もちろんオアシスのアルバムであって「マスタープラン」というバンドではないというのは上で説明したとおりだ。
英国マンチェスター出身のロックバンドで、中心人物はバンドのソングライティングのほぼすべてを手掛けているギター&ヴォーカルのノエル・ギャラガーとヴォーカルのリアム・ギャラガー。勘のいい人ならお気づきのとおりじつの兄弟である(※ノエルが兄でリアムが弟)。ちなみにこの兄弟の仲違いが原因でバンドはすでに解散している。現在、兄はソロでバンドを組み活動しており、それなりに売れており評価もされている。弟もオアシス解散後、やはりバンドを結成したがパッとせずそちらも解散。現在は自身が立ち上げたアパレルブランドのオーナーとしての活動が主であり、一方で不倫して元妻に訴訟を起こされたり、ツイッターでいまだに兄の悪口を投稿するなど、有能なのか無能なのか、とにかくナイスなクソ野郎だ。
で、この今回取り上げるこのアルバムだが、シングルのB面曲を寄せ集めたいわば「裏ベストアルバム」的な作品である。
シングルのB面曲というと、悪かないが特別良くもない。
そんなふうにイメージする人が多かろう。
安心してほしい。オアシスはシングルのB面の曲もとてもいい曲が多い。じっさい、オリジナルアルバムと比較してもまったく遜色のない内容のアルバムと言える。
では、収録されている曲のどんな部分が優れているのかというと、とにかく「メロディが良い」、この一言に尽きる。ノエル作の、じつにキャッチーであり、それでいてくどくもない、じつに耳触りが良いメロディが展開される曲がこれでもかと敷き詰められている。
当然、リアムのヴォーカルも素晴らしい。音域の幅が広いタイプではないが、これまた一度聴いたら耳に残るキャッチーな声質であって、なにより「ロックスター」と言うべき華がある。
年代順に曲が収録されているわけではなく、そういった意味でアルバム全体の統一感みたいなものはない。ただ、そのぶんバラエティに富んでいるアルバムとも言える。ギターがガンガン鳴っている曲はもちろん、フレンチホルンの音色がいい感じにシャレオツなムードを演出している曲もあれば、ギターのアルペジオ奏法を巧みに組み込み清涼感溢れるポップソングに仕立て上げている曲もありーので、それら楽曲のすべてに共通しているのは、じつにキャッチーで心を揺さぶられる豊かなメロディである。
ポップなロックサウンドがお好みの方にはまさにおあつらえ向きなアルバムだ。
※オススメ収録曲→①「Acquiesce」、④「Going Nowhere」、⑤「Fade Away」、⑥「The Swamp Song」、⑧「Listen Up」、⑨「Rockin' Chair」、⑩「Half The World Away」、⑫「Stay Young」、⑬「The Masterplan」
Hole『Celebrity Skin』
ホールは主に90年代に活躍したアメリカのロックバンドで、中心人物はコートニー・ラヴという女のヴォーカリストである。おなじアメリカの伝説的なロックバンド、ニルヴァーナのヴォーカルのカート・コバーンの妻でもあり、カート・コバーンはいろいろあって若くして亡くなってしまったが、コートニーのほうはというと、現在は音楽やったりやらなかったり、あと映画出たりだとか、出たけどたいして話題にならなかったりだとか、まあ、とにかく現在もお元気に多方面でご活躍しているご様子である。
で、こちらの『セレブリティ・スキン』は1998年にリリースされたバンドにとっての3枚目のアルバム。それまではダークで重苦しいロックサウンドが特徴だったが、この作品では見事なまでにポップに弾けまくった楽曲を提供し、俺自身、びっくらこいたもんだった。
全曲とにかくメロディがいい。ビートルズの楽曲を参考にしたというバッキングヴォーカルも秀逸であって、さらにサウンド構成もじつに爽やかでかつ華やか。中には重ためのロックバラード的な曲もあったりするが、不思議とそれまでのような悲壮感のようなものは感じられない。なんつうか、どこか全体的に吹っ切れてるというか、気合が漲っているようなアルバムだ。
コートニーのドスの効いた男勝りのヴォーカルも迫力満点。間違いなく聴いて損のないアルバムだ。
※オススメ収録曲→①「Celebrity Skin」、②「Awful」、③「Hit So Hard」、④「Malibu」、⑤「Reasons To Be Beautiful」、⑧「Northern Star」、⑩「Heaven Tonight」
Kula Shaker『K』
クーラ・シェイカーは英国のロックバンドであり、この『K』というアルバムは1996年にリリースされたバンドにとっての記念すべきデビューアルバムである。
ちなみにその後、2作目のアルバムをリリースしたと思ったら突如解散したものの、それからまた数年後に再結成を果たし現在も活動中。
昔はヴォーカルのクリスピアン・ミルズを筆頭に、なかなかのイケメン揃いのバンドという印象だったが、現在はクリスピアンこそイケメンっぷりは健在であるもののベースとドラムがハゲた。そのためか、ベースとドラムはライブ中は常に帽子もしくはバンダナを着用している。
そんなに気にしなくてもいいのに、と言いたくなるが、ハゲの気持ちはハゲにしかわからないのかもしれない。不躾なこと書いて正直スマンかった。
で、このアルバムだが、リリース当時は英国で大ヒットしたが、日本でも洋楽なのにかなりウケた。その理由はどこにあるのかというと、わかりやすいキャッチーなメロディ、そしてグルーヴ感あふれる躍動的かつ小気味いいバンドサウンドであろう。
インド音楽を大々的に取り入れているのもこのバンドの特徴だが、それもポップに調和されているので、小難しさのようなものは一切ない。クリスピアンのヴォーカルからは特別なカリスマ性こそ感じられないが、そのぶん親しみやすさみたいな魅力があるのもこのバンドがうけたひとつの要因なのかもしれない。洋楽ロックの入門盤として格好の内容を誇るアルバムと言えると思う。
※オススメ収録曲→①「Hey Dude」、②「Knight On The Town」、③「Temple Of Everlasthing Light」、④「Govinda」、⑤「Smart Dogs」、⑦「Into The Deep」、⑨「Tattva」、⑩「Grateful When You're Dead / Jerry Was There」、⑪「303」、⑫「Start All Over」、⑬「Hollow Man Part 1&2」
Red Hot Chili Peppers『Californication』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ略してレッチリ。
洋楽に疎い人でも一度くらいは名前を耳にしたことはあるんじゃなかろうか。
アメリカのバンドであり、サウンド的にはロックだが、ファンクミュージックの要素がより色濃い。メンバーはヴォーカルのアンソニー・キーディスとベースのフリー以外、これまでに何人も入れ替わっている。2012年にはロックの殿堂入りを果たしている。
で、この『カリフォル二ケイション』はバンドにとっての7枚目のアルバムだ。ひじょうにポップ性が高い楽曲を中心に構成されていて、レッチリのファンキーこのうえないサウンドをこよなく愛していた従来のファンの中にはガッカリした人も少なからずいたみたいだが、俺にとってははじめて聴いたレッチリのアルバムなので思い入れは深い。
ポップで親しみやすいメロディがとにかく印象に残るが、ファンキーな要素もしっかりある。しかもバンドの演奏はバカテクだ。とくにグルーヴィきわまりないベースは楽器の素人が耳にしても「おお! なんだかわからんけどすげええええ!!!」と驚愕するレベルであろう。
ハードでワイルドなファンクナンバーもあれば、美しくもせつないバラードもある。そこらへんのバランスがすごくいい。そういった意味で万人受けするアルバムとしてオススメできる作品である。
ただし、ちいさなお子さんなどは本作を聴いてレッチリに興味を持っても、けっして「ちんこソックス」 とネットで検索してはいけない。絶対にだめだ。万が一、検索してしまった場合、責任は持てない。それだけは一応言っておく。
※オススメ収録曲→①「Around The World」、③「Scar Tissue」、④「Otherside」、⑥「Californication」、⑦「Easily」、⑩「I Like Dirt」、⑭「Right On Time」、⑮「Road trippin'」
t.A.T.u.『200 KM/H IN THE WRONG LANE』(邦題『t.A.T.u.』
上のクソダサいジャケ写をご覧になればわかるとおり、正常な感覚の持ち主なら街で見かけたらキン肉バスターを食らわせたくなるであろうクソ生意気なロシア人女デュオによる何年だか前の超ヒット作。Mステで演奏を放棄するという一発ギャグを敢行し、あの温厚なタモリを激怒させたことで話題を呼び日本でも大ブレイク。東京ドームで開催された単独コントライブも満員御礼の大盛況となるが、一瞬で飽きられ現在の消息は不明。で、このCDだが、ブックオフに行けばどこの店舗でも叩き売り状態で置いてあり容易に手に入るので、嫌いなやつにお歳暮として贈るなりフリスビーにして遊ぶなり好きにしてほしい。
※オススメ収録曲→②「All The Things She Said」(つーかこの曲しか知らん)
以上です。また気が向いたら第4回目を書こうと思います。