「コーセー」のCMほど私に不快感を与えてくれるモノはない

テレビ番組の合間に流される、いわゆる「CM」の世界では、世間的に好感度の高いタレントを起用することが重要視されているようだが、私にはこれがさっぱり理解できない。

たとえば、どこかの企業で誰にとっても有益かつ便利である最高の商品が開発されたとする。

その有益かつ便利このうえない商品を開発した企業は、その商品をアピールするため早速CM制作に着手することになる。

で、CMとなればやはり、世間一般に大々的にアピールする効果が見込まれ、なおかつ、その商品の持つ利便性、安心感、清潔感といったイメージを高めてくれるような……たとえばキムタクとか明石家さんまといった、いわゆる世間的に好感度の高いタレントを起用する、というのが企業側にとっては好ましい構図であろう。

これがどうもわからない。

というのは、それが真に有益かつ便利このうえない商品であるなら、ある程度宣伝の下地が整ってさえいれば、べつに好感度の高いタレントをわざわざCMに起用せずとも、人々は買うだろうからだ。売れるだろうからだ。

では逆に、誰にとっても無益で、かつ、不便利このうえないような商品……まあ、こんなものをわざわざ売る企業など現れるとは到底思えないが、仮に「うんこ」が発売されたとしよう。

で、「うんこ」のCMにキムタクなりさんまといったタレントが起用されたとして、キムタクなりさんまなりがいかにその「うんこ」が優れた商品であるかといったことをアピールしたところで、もちろん「うんこ」は所詮「うんこ」でしかない。ごく少数の物好きが購入することがあるかもしれないが、常識的に考えて「うんこ」が爆発的に売れまくることなど有り得ないのである。

まあ、今述べたのは極論だが、あくまでも個人的な意見を述べさせてもらうと、それが自分にとって「いい商品」なら、その商品のCMにたとえ極悪人が起用されていようが、私は買う。逆に自分にとって「いらない商品」なら、たとえ金髪のグラマーなねーちゃんが商品の効能・利便性等を悩ましげにアピールするような素晴らしいCMが放映されていようが、いらないものはいらない。

そういった意味で、現在放送されているのコーセー」のCMほど私に不快感を与えてくれるモノはない。

綺麗どころの女性タレントを多数起用していることで、先日、マスコミ各社にも大きく取り上げられた「コーセー」のCMであるが、これほどあからさまな思惑が透けて見えるCMもそうはないからだ。

 

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なんといってもCMにひとりもブスが出演していない。

これが納得がいかないのである。

「コーセー」の化粧品が本当に優れているなら、ブスを起用したっていいじゃないか。「コーセー」の化粧品を使用したところでブスは上戸彩にもガッキーにもなれないのであり、ならば

「わたくしどもの商品を使用すれば、ブスでもこんなに綺麗になりますよ」

とアピールするような心意気を見せてほしいじゃないか。

まあ、ブスうんぬんの話は置いておくにしてもだ。

「それでは創業70周年を記念して制作される我が社のCMの件なんですけど、どのタレントを起用しましょうか」

「うむ。やはり我が社のCMとなれば、美人タレントを起用するのが望ましいな。誰かいい候補はおらんか」

「その件ですが社長。いくら綺麗どころのタレントをひとり起用したところで、そんなものは元来やりつくされたパターンでしかなく、いまいち新鮮味がありません。そこでどうでしょう、綺麗どころのタレントをひとりやふたりとはいわずわんさか集めれば、今までにないようなCMって感じになるのではないでしょうか」

「おお。たしかにそれだったら無駄に豪華な感じになるし良いな。よし、早速取り掛かれ」

「はっ」

と、まあ、おそらくこんなような感じで進んだとしか思えないのであり、この安易としか思えぬ根性がじつに気に食わない。

大体、CMに出演している「美女たち」にしても、

「社長、我が社のCMの件についてなんですが……」

「なんじゃ? 美女が集まらんのか」

「いえ、我が社のブランド力をもってすれば美女など容易に集まるのですが、いかんせんどの美女が良いかで社内が紛糾しておりまして。ここはひとつ、社長お気に入りの美女をぜひ推薦していただければと……」

「なるほどな。うむ、そうじゃなあ。わしの最近のお気に入りは、やはりガッキーじゃな」

「ガッキーですかあ。さすが社長、お目が高い。部長はどうです?」

「僕は断然、すみれちゃんだな。ウチの娘に似ていて可愛いんだよ」

「マジですか。では、すみれちゃんもリストに入れておきましょう」

「そういうキミは誰なんだ? 人の意見ばかり訊いてないで、たまには自分からも言ってみたらどうだ」

「はっ。私といたしましてはそうですね……森高千里なんかがよろしいのではないかと……」

「おぬし、なかなかの熟女好きのようじゃな」

「はっ。お恥ずかしい限りで……」

「よかろう。森高千里の事務所にも今すぐアポをとれ」

「ははーっ」

というふうにおそらくは進んだはずであり、その証拠に「美女」の人選になんらの工夫も見られないのがなんともいただけない。

なんてな感じで、以上のように創意工夫といったものをウサギの糞ほども感じさせない「コーセー」のCMを私は気に入らないわけであって、とはいえ、じゃあ件のCMに出てくる女が全員ブスだったら良いのかというと、それもそれでムカつくだろうし、まあ、難しい問題だよなあ、と思った。

 

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