病んでる時に観たくなる動画

まぼろしの世界(紙ジャケット仕様)

 

最近、元気が出ない。

もともと元気があるタイプではないが、それにしても元気が出ない。

病んでいる、といったほうがいいかもしれない。

人は病んでる時、どんなものを観て「癒されたい」と思うのだろうか。

「前向きな内容の映画を観る」

という人は多いだろう。

いや、これは病んでるのではなく単に「元気がない人が観たいやつ」か。

「ホラー系の、人がめちゃくちゃ殺される映画を観る」

ゾンビ映画とか、サブカル系に多そうなイメージだ。

「猫や犬の動画を観る」

これはいかにもいそうだ。

そういえば以前、誰だか忘れたが、「つい、虫が交尾している動画を観てしまう」と書いている人がいた。

「病んでいるから」だという。

わけがわからない。

まあ、そういう人もいるのだろう。

YouTubeに代表される無料動画サービスの登場は、ネットの世界のみならず音楽界にも革命を起こした。

時も場所も選ばず、ミュージシャンのPVやライブ動画などをタダで観ることが出来るのだ。まさに革命である。

随分前にYouTubeで発見したライブの動画でめちゃくちゃ衝撃を受けたやつがある。

外国人のミュージシャンが映っていた。おっさんのヴォーカリストがステージ上でバンドを従えて歌を歌っている。ロックだった。大勢の聴衆に囲まれる中、己のちんぽをしごきながら歌を歌っていた。

驚いた。

しかも、そんな異常きわまりない行為をしているステージ上のおっさんを眺めつつ、同調するかのように一緒になってちんぽをおもいっきりしごいている観客もばっちり映っていたのだからなおさら驚いた。

まさに衝撃である。

あまりに衝撃を受けたせいで、つい、ふつうの感想が頭に浮かんでしまったのかもしれない。

「家でひとりでやりゃあいいじゃないか!」

動画の説明欄にはたしかバンド名も表示されていたはずだが忘れた。そんなことはどうでもよくなるほどとにかく衝撃的な映像だったからだ。

動画を観て思い出したのはもちろんドアーズのジム・モリソンだ。

かつてステージ上で自慰行為をし、そのまま警察に逮捕・連行されたという逸話は、洋楽ロックのリスナーにとって耳にタコができるほど有名な話だ。一方で、ステージ上で警察に逮捕・連行されたのは事実であるものの、「自慰行為をしていた」という部分に関してはデマだとする説も根強い。

実際、行為をとらえた映像や写真などは残っておらず、信ぴょう性は低いと言わざるを得ない。

そんなあくまでも「伝説」として想像するしかなかった画をこの目で目撃したのだから、その衝撃は計り知れないというものだろう。

で、最近、あのライブ動画をひさしぶりに観たくなって探しているのだが、これが見つからない。

「ライブ、洋楽、ロック、ちんぽ、しごく」

思いつくかぎりのワードを入れて検索をかけてみるものの、全然見つからない。

相当前に観た動画なので、消されてしまったのか。

いずれにせよ、そんな動画を観て癒されたい、なんて思っている今の俺は相当病んでいるに違いない。

 「病んでる時に観たくなる動画」

そんなアンケートの結果が公表されているのなら見てみたいものだ。