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CDレビュー:「追伸ロード第二章/THE虎舞竜」

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ケン高橋ジョージが最近ワイドショーを賑わしているらしいな」
マイク「ああ、カミさんとの離婚騒動だな。まあ、まったく興味がないというのが正直なところだが、とにかくいろいろと大変そうだな」
ジェーン「にしても、前々から素朴に感じていた疑問なんだけど、そもそもなんで高橋ジョージってあんなに売れているのかしら
ケン「言われてみればたしかにさっぱりわからんな。まあ、おそらくカミさんとのセットによる、いわゆる『おしどり夫婦キャラ』ってのが大ウケにウケたんだろうさ」
マイク「でも、『おしどり夫婦キャラ』つったって、大和田獏&岡江久美子だったり梅宮辰夫&クラウディアだったり山ほどいるわけで、とくに新鮮味はないだろ」
ケン「ようするに語感の問題だな。『獏』って言われてもなんだかちょっとマヌケっぽいし、『梅宮辰夫&クラウディア』にしてもやけに生々しくてどうにも胃もたれ感みたいなのを覚えちまうわけだ。そう考えると『ジョージ』って語感は欧米風の軽やかな響きがあるし、まあそういったなんやかんやが今のスマホ的でライトな潮流とうまいことリンクしてアレしたってことなんだろうさ」
マイク「一応つっこんどくが、なに言ってんのかさっぱりわからんぞ」
ケン「いや、なんつーか、ジョージといえば言わずもがなだがミュージシャンとしては一発屋であって、『一発デカいの当てて、あとはそのまま綺麗さっぱり消え失せる』ってのが一発屋一発屋たるゆえんであるわけだ。ところがジョージの場合、一発屋なのにバカ売れ』という、言ってみればありえない状態なわけで、ありえないからこそ新しいっつーか、ようするに『一発屋ミュージシャンキャラ』といういまだかつて存在しなかった斬新なキャラがウケたっていう、おそらくはそういうことなんだろうさ」
マイク「どんなキャラだよそれは。大体、『一発屋ミュージシャンキャラ』って、有難いのか有難くないんだかさっぱりわからんよ」
ジェーン「というか、そんなわけのわからんキャラがウケてる世の中がひどく倒錯しているように思えて仕方がないわ」
ケン「まあ、それだけ日本も混乱の時代に突入してるってことなんだろうさ」
マイク「日本も大変なんだな」
ケン「だな。で、そんなわけで、今日レビューするのがジョージ率いる虎舞竜がまさに一発屋として栄華を極めていた時期にリリースした『追伸ロード第二章』っていうこのアルバムなんだけど、いやこれにはほんとにびっくりしたよ」
マイク「っていうと、ジョージはジョージでもジョージ高野がヴォーカルをとってたりなんかしたのか」
ケン「そんなわけないじゃないか。いや、なんつうのか、CDに付いてくる曲目とか歌詞なんかが載ってるブックレットってのがあるだろ? で、このブックレットの中に歌詞と一緒に1曲ずつ解説文らしき文章が掲載されているんだが、これがとにかくもの凄いのさ。しょっぱなの『Chance!! Choice!! Chase!!』という曲の解説文がこんな感じだ」

 

アルバム『ニューヨークからの手紙』ではハードロックバージョンだったこの曲に新たなメッセージを加えた強力なラップバージョン!!

 

マイク「いや、たしかに書き手のマグマのごとき熱い思いは痛いほど伝わってくるが、正直だいぶ文章がヘタと言うしかないな。まあ、あまり人のことは言えんが」
ケン「ああ、あまり人のことは言えんがな。続いて、2曲目の『The Prayers』だかいう曲の解説文がこうさ」

 

この曲も『ニューヨークからの手紙』に収録されていた曲。今回は、SAXを上村CANが吹き直し、アコースティックギターを加えた、ニューバージョン!! 更に、エンディングを長く変更。

 

ジェーン「とりあえずこの曲も『ニューヨークからの手紙』というアルバムの別バージョンってことは理解したけど、まあそれはいいとして、『SAX』って、なんでわざわざアルファベットにするのかしら。べつに『サックス』って書いても誰も困らないんじゃないかと思うわ。細かいことを言うようで申し訳ないけど」
ケン「こないだなんとなく読んだとある音楽雑誌の中でも、『抽象的ながらも生々しく響く“LYRICS”は~』なんてなふうな記述があったが、あれはなんなんだろうな。普通に『リリック』、もしくは『歌詞』でいいと思うんだが」
マイク「よくわからんが、まあおそらく『リリック』とか『歌詞』より『LYRICS』って書くほうがなんだかナウいってことで音楽好きのギャルにウケるんだろうさ」
ケン「だろうな。で、お次は3曲目の『夢ing of You』だな」

 

同じく前回のアルバムに収めたこの曲は、虎舞竜のアレンジャー「入江純」が新たにプロデュース。フルオーケストラを加え、まるで映画音楽の様な壮大さを感じさせている。

 

マイク「またしても前回のアルバムの曲だな。タイトルの『夢ing』って部分が若干意味不明だが、まあ解説文自体はこれと言って問題ないと言っていいんじゃないか」
ケン「じゃあ、次は④の『Star Light』だ」

 

同じく『ニューヨークからの手紙』に収録されていたこの曲、エレキピアノとサックスをフューチャーし、前回ではシャウトしていたボーカルの音域を落し、低温の優しさを前面に出している。

 

マイク「例によって『ニューヨークからの手紙』だかいう前のアルバムからの曲か。えらく熱心だな、って、またなのかよ! ファック! 一体どうなっちまってんだこのアルバムは!」
ケン「しかも、『フューチャー』だしな。『未来か? そのサックスは未来に向けて吹いてんのか?』ってな話さ」
ジェーン「そういや、アタシも前に音楽雑誌のディスク・レビューを読んでたら、『「唯一無二」「最高傑作」とかいう言葉は絶対に使いたくないし、簡略かつ単一的に捉えて批評する奴らを全て蹴散らしたい』なんてご大層なことが書かれてあったんだけど、その文章の中に『多角的にフューチャーして全音楽リスナーに届けたい衝動を抑えきれない』なんつった記述があって、なんだかガッカリしちゃったわ」
ケン「しかし、この『フューチャー×→フィーチャー○』問題はいつになっても後を絶たんな。なんとなくイケてそうな英単語を使ったところで、どうせ使う側も読む側も意味なんてよくわかってない輩がほとんどだろうし、日本人なんだから素直に日本語使っとけってことだな。続いて、⑤の『I’m Just Rock’n Roll』だな」

 

12年前「トラブル」の名で発表した曲で、ライヴではお馴染みのR&Rナンバー。今回は新たにスタジオ一発録音!!

 

マイク「いや、曲がなかったのか、あるいは作るのがめんどくさかったのかよく知らないが、いずれにしても、もうどうにでもしてくれって感じだよ」
ケン「まあ、いきなり売れちまったもんだからとりあえず既存の曲で急場をしのいだっていうか、たぶんなにがなんだかわけがわからないままなんとなくリリースしちまったんだろうな。なんてな具合に、『いろいろつっこみどころが満載なバンド』という斬新きまわりないキャラを確立したアルバムが本作ってわけさ」
マイク「だからどんなキャラだよそれは」
ジェーン「なにがなんだかわからなすぎて頭が爆発しそうだわ」