そんなもんを「評論」して意味があるのか

 「評論家」という言葉を耳にして、人はどんなものを思い浮かべるだろう。

・音楽評論家

・映画評論家

・政治評論家

・服飾評論家

まあ、だいたいこんなところだろう。

・軍事評論家

・IT評論家

・ラーメン評論家

なんてのも、結構メディアに登場するのでお馴染みという感じだ。

「バイキング評論家」

以前、テレビを見てたら出ていた。

なんでもバイキング料理の評論家らしく、どこそこのホテルのバイキング料理が凄いだの、そんなようなことをテレビの中で解説していたわけだが、誰が得するんだ。

まあ、私が知らないだけで、きっと世の中にはバイキング料理のマニアみたいな人たちが存在して、そういう方々が得するだろうからテレビにお呼ばれしたのだろうが、それにしてもなんだかなあ、と思った。

バイキング

ちなみに、こちらの「バイキング」を評論する人ではなかったのを念のため、一応報告しておく。

で、「これはひょっとして……」と思いネットで検索してみたら、まあ、じつに多種多様な「評論家」を発見して驚いた。

「警察評論家」

どんな評論をするのか大変気になるところだ。「品川署の連中は経費を無駄に使う」とか、「山梨署の田中と松下は仲が悪い」とか、やたらと内部事情に詳しいのだろうか。

「定食評論家」

いろいろ食い物はあるが、あえて「定食」と付けているところに強いこだわりを感じる。コロッケ定食やエビフライ定食について、なにかわからないことがあった場合は、驚くべき知識でもって易々と答えてくれるのだろう。もちろん、ヤングハンバーグ御膳や石狩鍋についての質問はしてはいけない。あくまでも「定食」限定である。

「夜景評論家」

「このビルからだとあの星が見えないなぁ」とか、そんなような評論をするのだろうか。必要なのかそれは。

「アイス評論家」

あと、「コンビニアイス評論家」というのもあったが、いちいち分ける必要があるのか。

「窓評論家」

「この出窓はねえ…」とか連日連夜、熱を帯びた口調で評論しているのだろう。そんな奴が親父だったら嫌だぞ。

「妙寺駅周辺評論家」

よくわからないが、「周辺」じゃなきゃダメなのか。で、かと思えば、こんなのもあった。

「隅田駅周辺評論家」

やっぱり「周辺」だ。なんなら、「落合記念館バット展示コーナー周辺評論家」や「高円寺駅周辺男子の金玉評論家」なんかもいそうな勢いである。

「極道評論家」

「ビアガーデン評論家」

「キャッチセールス評論家」

「イケメン評論家」

「宝くじ評論家」

なんてのも発見したが、「『こち亀』コミックス第38巻限定評論家」とか、「音楽評論家が展開する主張の甘さを指摘している他の音楽評論家の話を確固たる自説で真っ向から否定する音楽評論家の評論家」なんてのもいるんじゃないかと、色んな意味で心配になった。