ノエル・ギャラガー兄の武道館公演を観に行ってきた。そして、リアムのあの「ボンベイ・ロール発言」について。

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数日前から観に行くってさんざん書きこんでましたが、先日ノエル兄の武道館公演を観覧してまいりました。

やあ。

素晴らしかったです。

本当に。

あまりにも素晴らしい体験だったわけで、ライブを観覧してからすでに5日ほど経ちますが、以降、まったくなにもやる気が起きない状態です。

矢吹丈的にいえば、「灰になった」状態です。

灰のまま宇宙の塵となり、それが光となり地球を照らし、やがて雨が降り農作物として生まれ育ったうえで食べ物として人々の口に入り、そして最終的にうんことなってまたみなさんの前に現れるのでしょう。文字通り、うんこが書くうんこな内容のブログです。

……なんてことになるのだったら本当に楽しいだろうな、と思いますが、現実は単なるやる気のないくたびれたおっさんが書いたうんこな内容のブログです(ちなみに物販のTシャツですが、買いました。買ってしまいました。誰も気にしてないでしょうが、一応報告しておきます)。

 

 

で。

ノエル兄といえば気になるのは弟のリアムです。

オアシス解散後に組んでいたバンド、ビーディ・アイがちょっと前に解散し、現在は元カリスマ・ロックヴォーカリスト兼服飾ブランドのオーナー(?)というなんだかよくわからない地位に落ち着いてしまっているリアム弟ですが、やはりいま一度音楽家として再起してほしいと多くのオアシス好き人間が願っていることでしょう。

では、そもそもギャラガー兄弟の魅力とは何ぞや。ちょっくら本気出して考えてみるに、それは彼らの作り出す音楽自体の魅力もむろんさることながら、やはりギャラガー兄弟のその傍若無人きわまりない発言ぶりに、我々オアシス大好き人間たちは否応なしに魅了されながら今日に辿り着いたと申しましても、あながち言いすぎではありますまい。

ノエル兄同様、リアムといえば暴言です。ビッグマウスです。そしてリアムといえば、あの「ボンベイ・ロール発言」を思い出さずにはいられません。

かつてのブリット・ポップ黄金時代。当時、オアシスにとっての憎きライバルバンドであったブラーのヴォーカリストであるデーモン・アルバーンさんと連日のように舌戦を繰り広げていたギャラガー兄弟ですが、『ロッキング・オン』誌95年11号のインタヴュー記事に、そのデーモンさんと当時恋仲にあったエラスティカのヴォーカリストであるジャスティーン・フリッシュマンさんが舌戦に加わってきたことについて、リアムのこんな発言が掲載されたのでした。

 


●(笑)でも、ジャスティーンが何でそんなことを言ったんだろう?

「知らねえよ。ただのクソ馬鹿女だからだろ。クソ馬鹿なもんで曲の書き方も、ライヴのやり方も知らねぇとくる。どうせ、マンチェスター(引用者註・ギャラガー兄弟の故郷)なんざ一度も見たこともねぇんだろうよ。どうせなら、目ん玉ひんむいてちゃんと郊外のクソだめみたいな町を見てこいってんだ。ロンドンのちゃらちゃらした中流向けのすてきなお家ばっかりじゃなくてよ。あのさ、あんたもよかったらいつだって俺んちに連れてってやるよ。今いるこの部屋ぐらいしかないんだぜ」

●(笑)いやぁね、俺はエラスティカの音楽はいいと思うんだけど、あのジャスティーンっていうのは、なんかムカつくんだよな。

「ああ、ありゃあ、ギターが大好きなただのお嬢ちゃんだよ」

●だけど、その一方で、リアムはあるインタヴューでジャスティーンとねてみたいとか言ってたじゃん。実はやっぱり好きなんじゃないの?

「ああ。迷わず口にちんぽぶちこんでやるね。迷わずね」

●大馬鹿もんだな、おめーは(笑)

「ボンベイ・ロールも迷わずぶちかましてやる」

●何だよ、ボンベイ・ロールって?

「パイオツでやるのよ。パイオツぐっと掴んでその間にちんこ挟みこむ」

●(笑)パイズリのことじゃねーかよお。

「おう! いつだって大歓迎だ」

 

当時海外のロックを聴き始めたばかりで、音楽誌のインタヴュー記事といえば「音楽についてまじめに語り合うことが当たりまえ」だと思っていた小僧の私からすれば、

「うおお! なんだかわからんが、こいつはものすげえやつだああ!(ただのアホかもしれんけどおお!)」

みたいな、なんといいましょうか、ひじょうに胸のすくような、このまさにロックンロール的な言いっぷりに、脳天に鉄槌を食らわされたような衝撃を受けたことをいまも思い出さずにはいられないのです。

ですが、ここでちょっとした疑問が。

「つうか、本当にこんなふうに言ってんのか…?」

と、思うのです。

いや、私はこの記事が「捏造」であるというつもりは毛頭ありません。ですが、みなさまご存知のように、「丁寧語」や「謙譲語」など話し方を明確に区分けできる日本語とちがって、英語はそうした定義がひじょうに曖昧であるといいます。さらには、英語で「私は」と表現するときは「I」と言葉にするだけで事足りてしまいますが、これが日本語の場合「僕は」だったり、あるいは「俺は」「私は」といった具合に表現できるのですから、いささか困ったものではないでしょうか。

 

●だけど、その一方で、リアムはあるインタヴューでジャスティーンとねてみたいとか言ってたじゃん。実はやっぱり好きなんじゃないの?

「ええ。迷わずお口におちんちんをくわえさせてしんぜましょう。迷わずですね」

●大馬鹿もんだな、おめーは(笑)

「ボンベイ・ロールも迷わずやらせていただきたく存じ上げます」

●何だよ、ボンベイ・ロールって?

「乳房でやるのですよ。ジャスティーンさんの乳房をぐっと掴んでその間に殿方のあそこ……つまるところ、わたくしのカリ太の珍棒を挟みこむのでございます」

●(笑)パイズリのことじゃねーかよお。

「御意! わたくしはいつだって大歓迎です」

 

いかがでしょうか。先ほどの発言を丁寧な言葉遣いにしてみたのですが、これだけでもリアムに対する印象がかなり変わるのではないでしょうか。

私は詳しくは知りませんが、映画翻訳の重鎮として知られるあの戸田奈津子さんにしてもじつはかなりヘンテコリンな翻訳をしでかすということで、映画マニアの間では煙たがられているという話を、いつのころか伝え聞いたことがあります。ですので、こうした複雑な過程でもって伝えられる翻訳言葉というものは、いくら有能な翻訳者のかたが手がけたものであっても、やはり限界があるのではなかろうか、と思う私であるのです。

ロックンロールが我国に輸入されてはや半世紀ちかく…。私たち日本人は、海外ロック・ミュージシャンの言葉を、より実像に近い形で理解することが必要な時期にさしかかっているのではないでしょうか。

 

●(笑)でも、ジャスティーンが何でそんなことを言ったんだろう?

「そんなのしらんでごわすよ。ま、あれだっぺさ、ただの馬鹿っぺ女だからではなかと。馬鹿っぺなもんで、曲の書き方も、そいからライヴのやり方もわからんってえとこじゃなかとね。ばってん、『おめぇーマンチェスターなんざ一度も見たこともなかろうと?』と。どうせなら、おめさの目ん玉ひんむいてちゃんと郊外のクソだめみたいな町を見てこいと言いたいですたい。ロンドンのような、あんな中途半端に小銭溜め込んでるよな中流向けのすてきなお家ばっかりじゃなくてけつかんねんさあ。そっだらあれよ、ああたもね、よかったらいつだっておいどんちに連れてってあげるでごんすよ。今いるこの部屋ぐらいしかなかとでどぎゃんすから」

●(笑)いやぁね、俺はエラスティカの音楽はいいと思うんだけど、あのジャスティーンっていうのは、なんかムカつくんだよな。

「ですたいですたい。あってらこだぁ、ギターが大好きなただのお嬢ちゃんだっぺよ」

●だけど、その一方で、リアムはあるインタヴューでジャスティーンとねてみたいとか言ってたじゃん。実はやっぱり好きなんじゃないの?

「んだんだあ。迷わず口にちんぽこぶちこんでやるけんねぇ」

●大馬鹿もんだな、おめーは(笑)

「ボンベイ・ロールも迷わずぶちかましてやるでごんすよ」

●何だよ、ボンベイ・ロールって?

「パイオツでやるけんねぇ。パイオツさぁぐっと掴んで、その間にちんこ挟みこむんたい」

●(笑)パイズリのことじゃねーかよお。

「おいよぉ! いつだって大歓迎さぁ」

 

訛りがひどいと言われているリアムですから、このような「激訛り口調」のほうがよりリアムの実像に近い、と考察できるのではないでしょうか。

以下、いろいろな口調のリアムを想像してみました。

【たけし口調】

●だけど、その一方で、リアムはあるインタヴューでジャスティーンとねてみたいとか言ってたじゃん。実はやっぱり好きなんじゃないの?

「ばかやろう、ダンカンこのやろう! 迷わず口にちんぽぶちこんでやるってんだこのやろう!」

【コロスケ口調】

●大馬鹿もんだな、おめーは(笑)

「拙者、ボンベイ・ロールも迷わずぶちかましてやるナリね」

【山下清口調】

●何だよ、ボンベイ・ロールって?

「ぼ、ぼ、ぼくは、ぱ、ぱ、ぱ、ぱいずりが、だ、だ、だいすきなんだな」

【高倉健口調】

●(笑)パイズリのことじゃねーかよお。

「ええ。自分、不器用ですから…」

 

以上になりますが、にしても、はっきりいってこんなことはどうでもよいぐらいにやる気が出ません。

あーあ。毎週、ライブやりに来てくれねえかなあノエル…。

 

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