映画『ソーラー・ストライク2013』‐バカ度が足りないバカ映画‐

 『ソーラー・ストライク2013』は近未来を描いたディザスタームービーであった。そして紛れもないバカ映画であった。

 

ソーラー・ストライク2013【完全版】 [DVD]

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私は科学のことはほとんどわからない。だから宇宙船に太陽エネルギーを源とするスカラー・エンジンを搭載することによって超高速での移動が可能になる、という理屈がはたして科学的に根拠があるものなのか、あるいは間違っているのか、詳しいことはわからない。

で、世界初の民間人による宇宙旅行がおこなわれることになるのだが、その宇宙船がトラブルによって太陽に衝突してしまう。衝突した影響でなんだかわからないが太陽のスカラー的ななにかがおかしくなってしまう。一応、劇中でそこいらへんの詳しい説明がなされているぽかったのだが、私にはなにを言っているのかまったく理解できなかった。とにかく、結果、地球に様々な異変が起こるようになる。具体的には雷が頻発するようになったり電気が通らなくなったりする。おまけに2日もすれば地球は滅亡してしまう、とのことである。

ここまではいい。かなりおかしい理屈がまかり通っているような気がしないでもないが、まあ、よしとしよう。たとえ科学的に間違っていたとしても、しょせん映画なんだから、エンターテインメントなんだから、と割り切ってしまえばいい。

問題は危機を脱するための手段である。

以下、本作の主要キャラである男と女の会話だ。

 男「地球がこんな状況に陥ったのはスカラー・エンジンの太陽への衝突が原因だ。衝突の衝撃でエンジンのパワーが全開になってしまったんだ。それを止めるには偏極させて0に戻せばいい。太陽に衝突してパワーが全開になったってことはつまり…」

女「太陽をもう一度もとの状態に戻すためには同じスカラー・エンジンを衝突させればいい」

男「正解だ!」

さすがにこれはどう考えても無理のある話なのではないか。 「正解だ!」じゃないだろう、と言いたくなった。

ちなみにこの映画を観た人のアマゾンのレビューだが、現時点でわずか3件しか投稿されていない。しかも3者全員が星一つの最低評価だ。

DVDのリリース日は2013年9月とある。およそ5年間で3件かつ低評価のレビューしか投稿されていないということは、つまり、バカ映画としてつっこみを入れたくなるような魅力もない作品であるということだ。

じっさい、かなりつまらない映画だった。基本的に私はどんなつまらない映画でも茶々を入れるスタンスで感想を書いているが、この映画に関しては茶々を入れたくなる場面すらほとんどなかった。

どうせならもっとめちゃくちゃやってもよかったのでは、と思う。

主要キャラである3人の男女のキャラが立ってないのが問題だし、ディザスタームービーなのに一番の見所というべきパニックシーンがほぼほぼ雷の頻発と電気が通らなくなるだけっていうのもどうにも地味すぎる。

たとえば、太陽の異常なスカラー的ななにかを浴びた人間がゴジラになるとか、男性視聴者のためにヒロイン役の女優には常にTバックのパンティを着用させるとか、スカラー的なモノを題材にしているんだからどうせならパナウェーブ研究所の人たちに特別出演してもらうとか、太陽にスカラー・エンジンではなくなぜかサメを突っ込ませるとか、で、最終的には筋肉モリモリの主人公が筋肉でどうにか解決するとか、もっと工夫をしていれば大笑いできたのではないか。

「いや、べつに大笑いさせるための映画ではなく真面目に作りました」

というのなら謝るが、いや、真面目に作ってこの内容ならなおさら謝る必要は感じられないが、とにかく残念としか言わざるを得ない出来の映画である。

しかししつこいが、せめてアメリカ大統領役にドルフ・ラングレンあたりを起用していればもう少し笑えたのでは、と思った。